
菱刈鉱山は鹿児島県北部に位置しており、1985年の出鉱開始以来165.7トン(2008年3月末現在)の金を産出しました。
菱刈鉱山は鉱石1トン中に含まれる平均金量が40グラムを超えるという高品位(世界の主要金鉱山の平均品位は約5グラム)を誇っており、現在も1年間に7.5トンの金を産出しています。過去には日本国内にも多数の金属鉱山が存在していましたが、これまでに閉山が相次いだため、今日では商業規模で操業が行われている国内の金属鉱山は、菱刈が唯一の存在となっています。
菱刈鉱山の鉱床は「浅熱水性鉱脈型金銀鉱床」と呼ばれています。太平洋プレートが日本列島の下に潜り込む「プレートテクトニクス」という地球運動の過程ではマグマが発生するため、このマグマが地殻の割目を通って上昇し、地表では火山となって噴出します。火山活動の一方で、地表の割目に地下水・マグマ水(熱水)が供給されると、熱水に溶け出した物質が冷え固まり鉱脈となります。このようにして形成されたのが菱刈鉱山の金鉱床で、今からおよそ100万年前にできたと考えられています。地質学的にみると非常に新しい鉱床で、65℃の温泉水を伴っているのが特長です。



菱刈鉱山は垂直に走っている数本の鉱脈により、鉱床が形成されています。これらの鉱床に対し、水平方向から坑道を通して採掘を行います。
穿孔マシン(ジャンボ)で鉱脈に孔(あな)を空けます。深さ1.8メートル~3.5メートルの孔を40~50個空けます。

ジャンボ Jumbo
それぞれの孔に30~50キログラムの含水爆薬を装填し、発破します。
発破により砕かれた鉱石は、LHD(Load Haul Dump)という積込機械により回収されます。
回収された鉱石は、LHDからダンプトラックに積替えられ、地上の鉱石処理施設に運ばれます。

ダンプトラックによる鉱石の搬入
採掘された鉱石は手のひら大の大きさに砕かれ、自動選別機(オアソーター)および手作業により、金鉱石とそれ以外の「ズリ」とに選別されます。
選別された金鉱石は、錦江湾の加治木港で専用船に積み込まれ、SMMの主力製錬所である東予工場に向け海上輸送されます。
東予工場に運び込まれた金鉱石は、自溶炉に投入された後、湿式精錬法を用いた貴金属プラントを経て、純度99.99%の純金となって取り出されます。