
東予工場は、愛媛県西条市と新居浜市に位置しています。銅をはじめとして金、銀、白金族などの生産を行う大型臨海製錬所で、世界トップクラスの製錬技術、生産管理技術、環境保全技術を確立しています。
銅鉱石には硫化鉱と酸化鉱がありますが、東予工場は硫化鉱を原料としています。SMMは、アメリカ、チリ、ペルー、オーストラリアなどの海外銅鉱山に出資することにより、銅原料で約40%の自山鉱権益を確保しています。現在主要な銅鉱山で採掘される銅鉱石の平均品位は1~2%前後ですが、銅純度を高め、品位30%前後となった銅精鉱を海外から輸入しています。銅精鉱には鉄と硫黄分もそれぞれ約3割程度含まれていますが、微量ながら金や銀などの貴金属も含まれており、これらは貴金属精製プラントで全て回収されます。また、東予工場は銅製錬に用いる溶剤(ケイ石)として、当社が所有する菱刈鉱山(鹿児島県)から産出される金鉱石を使用しています。
(含有構成)
銅:約30%
鉄:約30%
硫黄:約30%
(含有構成)
金:40~45g/t
銅製錬の原料である銅精鉱は専用船で運ばれ、専用バースで陸揚げされます。バースは3万トンクラスの船まで着岸が可能です。
鉱石には約8%の水分が含まれているため、これを乾燥します。乾燥には重油ドライヤーに加え、工場内で回収した蒸気の熱を用いることにより、省エネルギーを図っています。
銅精鉱から純度98%程度の粗銅を作るため、まず自溶炉で銅を濃縮します。自溶炉に銅精鉱と金鉱石が投入され、熱風が吹き込まれて酸化・溶融が行われます。銅精鉱中の硫黄分が燃料となって、高温が維持されるため自溶炉と呼ばれます、銅品位が60~65%に濃縮されたものをマット(鈹〔かわ〕)と言い、比重差によりスラグ(鍰〔からみ〕主成分は鉄酸化物、硅酸)とに分離されます。
自溶炉から出てきた銅品位60~65%のマットは、純度を上げるため転炉に送られます。転炉内での酸素の吹き込みにより、硫黄分はガスとなって除去され、鉄分はケイ素(金鉱石の主成分)に取り込まれスラグとなります。こうして純度98%の粗銅が転炉より取り出され、 精製炉で酸素濃度を調整して精製アノードを鋳造します。
銅精錬時に発生するガス(SO2)は回収され、硫酸設備で硫酸となります。

アノードの重量は約400Kgです。

精製アノードと種板を交互に電解槽に入れる方法と、ステンレス板を用いるパーマネントカソード法の2種類の電解法により、純度99.99%の電気銅を製造します。アノードに含まれる貴金属やレアメタル類は、電解槽底部に溜まり、アノードスライム(沈殿物)となって、貴金属精製プラントに送られます。
精製炉から取り出された精製アノードは、電解工程を経て純度99.99%の電気銅となります。
スラグ(鍰〔からみ〕)の溶体を流水に注入してスラグ・サンド(水砕スラグ)が製造されます。環境への配慮から採取禁止が進んでいる海砂の代わりとして、コンクリート細骨材向けに注目を浴びています。
転炉で発生したスラグは、選鉱場で残留銅分が回収されたのち、スラグ・パウダーとして出荷されます。
銅電解槽の電解液を精製して作られます。プリント基板の銅めっき等に使用されます。
銅電解槽に溜まったアノードスライム(銅電解スライム)は、東予工場の貴金属精製プラントで金、白金族等の貴金属となります。東予工場の貴金属精製プラントは、全工程に湿式法(火を使わない精錬方法)を用いることにより、連続化、自動制御化に成功し、金の回収期間を従来の製造法と比較して大幅に短縮するなど、当社がニッケル精錬で培ってきた湿式精錬の技術が生かされています。




