皆さまには日頃より、住友金属鉱山株式会社の事業活動に対し格別のご支援をいただきまして、誠にありがとうございます。
2008年度の世界経済は、米国に端を発した金融危機とその世界的な波及により、期の後半から急激に悪化しました。また国内経済も、支えとなる輸出の牽引力が失われた結果、急激な景気後退に見舞われました。さらに当社の業績に大きな影響を与える非鉄金属の国際価格も下落傾向となりました。
事業環境が急速に変化したことに対応するため、2008年11月に「緊急経営総合対策」を取りまとめ、実施しています。具体的には、投資の厳選、物品費、工事費の削減に向けた工夫、工場におけるさらに目を詰めた修繕費管理および設備改善運動などを、現在も推進しています。さらに金属事業においては、需要動向などを考慮した生産量での減産対応を行いました。電子・機能性材料事業では急激な需要の落ち込みに対応するため、操業度の低下に合わせた一時休業の実施なども行いました。これらの対策により、支出費用を可能な限り削減し、収益の確保に努めました。
2008年度の連結売上高は、銅・ニッケルをはじめとした販売量の減少と価格の低下により減少し、前年度比約30%減の7,938億円となりました。また連結営業利益では、製錬マージンの減少、急激な価格下落と円高を背景とした在庫評価損の計上、各部門での販売量の減少などにより前年度比約93%減の105億円となりました。連結経常利益についても持分法対象となる海外鉱山の利益の縮小や、為替差損の影響などにより減益となり、326億円にとどまりました。2008年度上期まではほぼ計画どおりの売上高および利益を上げておりましたが、2008年9月以降急速に悪化いたしましたため、非常に厳しい結果となっております。
現在、世界の主要国では大規模な経済対策が実施されており、また急激な需要の低下に対する在庫調整の進展も見えつつあることから、足元は景況感がほぼ底入れされたと思われます。しかしながら、2009年度の業績予想につきましては、経営環境はきわめて厳しい中で推移することを前提に想定しています。
資源・金属事業、電子・機能性材料事業の2つのコア事業におきましても、成長戦略の再構築を図りながら、「収益の最大化・コストミニマムの事業運営」を実現させることを前面にかかげています。具体的には生産コストの引き下げ、操業効率の上昇、投資・探鉱費の戦略プロジェクトへの絞り込み、不採算事業・製品についての選択と集中を促進させることを考えています。
このような経営環境であるため、2009年度の予算は全社的には厳しく算定して減額ベースとしていますが、研究開発費は一切カットしていません。将来の主力となる新製品の上市、競争力強化に向けたプロセス開発を重視して、開発のスピードアップをめざしていきます。研究部門と生産現場とが密に連絡を取りあい、より生産に密着した技術の開発を行っていくことも大切と考えています。
これまでの当社の成長は決して事業環境に支えられただけのものではなく、社員の努力と、株主のみなさまをはじめとしたステークホルダーのみなさまのご協力によって積み上げられてきたものであります。今後も当社グループは、経済情勢、経営環境を踏まえたうえで、これまでと同様に「成長戦略」の推進に全力を注ぎます。そして、「有言実行」をモットーとしながら目標を必達することにより、一層の企業価値の向上に努めていきます。
また、株主のみなさまに信頼され、安定成長を遂げることのできる経営を心がけています。当社をより身近に感じていただけるよう、プロジェクト情報や新商品・新技術関連情報の発信を積極的に行っていきたいと考えています。
今後とも、皆さまのご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役社長 ![]()