重要課題・ガバナンス

コンプライアンス

考え方・方針

当社グループは、健全な企業活動を通じて社会への貢献とステークホルダーへの責任を果たすことを目指し、コンプライアンスを企業活動の基本とするという理念のもと、役員・従業員の具体的な行動指針となる「SMMグループ行動基準」、「コンプライアンス基本規程」を定めています。また、人権、調達など個別の重点取り組み事項に関して以下の方針や規程を策定し、グループ内に周知徹底しています。

  • 住友金属鉱山グループ人権方針
  • 住友金属鉱山グループサステナビリティ調達方針
  • 住友金属鉱山グループ税務に関する基本方針
  • インサイダー取引防止および情報管理に関する規程
  • 個人情報の保護に関する規程
  • 輸出管理規程
  • 贈賄防止規程
  • 競争法遵守規程
  • 内部通報制度に関する規程 など

推進体制

コンプライアンスの最高責任者を社長とし、職制を通じてコンプライアンス推進に努めています。サステナビリティ委員会の下部組織であるコンプライアンス分科会では、法務部を事務局とし、定期的にコンプライアンスに関する重要課題の審議、情報交換等を行っています。分科会において共有された施策は職制を通じて必要な従業員に伝達され、日々の業務遂行に反映される体制を整えています。

■ 推進体制図
図:推進体制図

取り組み

課題と改善に向けた取り組み

2022年度は、「経営に深刻なダメージを与えるコンプライアンス違反 0件」を全社コンプライアンス目標に掲げ、①コンプライアンスマネジメントシステムの見直し、②ライン管理の徹底を通じた、経営に深刻なダメージを与える意図的な不正行為や許認可取消につながりうるコンプライアンス違反の撲滅、③法令所管部門において、経営に重大なダメージを与えるものやレピュテーションリスクが高いものについて着手可能な施策から逐次展開、を重点取り組み事項とし、各部門においてこれらを受けた取り組みを推進しました。

コンプライアンス上の問題への対応

当社グループではコンプライアンス上の問題(GRI2-26 の「組織の事業活動および取引関係における責任ある企業行動」も含む)が発生、または発生するおそれがある場合、職制を通じて速やかに法務部長等に報告することを義務づけており、さらに、法務部長を通じて代表取締役や常勤の監査役等に報告するとともに、最終的に取締役会に報告する体制を整えています。事態発生時には、発生原因を特定のうえ、再発防止策の策定を行い、必要に応じて水平展開しております。
また、コンプライアンス分科会では、発生原因等の分析や再発防止に関する情報共有等を行い、グループ全体のコンプライアンス推進に取り組んでいます。

コンプライアンス上の問題発生状況

2022年度のコンプライアンス上の問題発生状況を確認した結果、環境、製品、サービス、マーケティング、税務、腐敗防止および反競争行為に関する事項も含め、法令や規則に対する重大な違反はありませんでした。また、2022年度に連結財務諸表、または公的機関に提出した財務情報の中で報告した罰金・課徴金、現在係争中で財務諸表の貸借対照表の引当金に計上しうる罰金・課徴金はありませんでした。

腐敗防止への取り組み

当社グループでは、「贈賄防止に関する基本方針」および「贈賄防止規程」に基づき、事前承認制度(国内外を問わず、一定の場合に、対象者への便益供与に際し権限者による事前承認を必要とする制度)を導入しております。また、各事業や国・地域の特性や法規制状況を前提とした贈賄防止マニュアルを策定し、コンプライアンス担当役員の統括のもと、各事業本部と法務部が連携して腐敗防止に取り組んでいます。

競争法遵守への取り組み

当社グループは「競争法遵守に関する基本方針」を制定し、それに基づき「競争法遵守規程」を定めるとともに、基本方針や規程の内容について、競争法遵守マニュアルを作成しています。
2022年4月1日より、「競争法遵守規程」に基づく事前届出制度(競合他社との接触に際し、原則として事前届出を必要とする制度)の運用を開始しました。

輸出管理への取り組み

当社グループでは、輸出管理規程に基づき、輸出管理委員会を設置して、外国為替および外国貿易法その他輸出関連法令遵守のための取り組みを行っています。「みなし輸出」管理に関する社内体制の整備については、2021年度までに対応を行っています。

内部通報制度

2022年6月1日の改正公益通報者保護法施行にあわせ、内部通報制度に関する定めを「コンプライアンス基本規程」から独立させ「内部通報制度に関する規程」として新たに整備し、通報への対応に関する事項や通報から発覚した法令等違反行為の取締役会等への報告について詳細に定めました。当社グループの社員等(独自の内部通報制度を運用している一部の関係会社従業員等を除く)は、法令等違反行為のみならず、「SMMグループ行動基準」に照らし合わせて問題や疑問があるような場合、内部通報窓口である「SMMグループ相談窓口」(社内窓口:法務部長、安全環境部長または監査部長/社外窓口:弁護士。ただし、事案により、通報受付後の対応を監査役会が行う場合があります)に対して直接、情報提供することができます。
内部通報制度では、個人が受けた問題だけでなく、組織の事業活動および取引関係における責任ある企業行動について、助言を求めるなど、懸念を提起するような内容(GRI2-26に関する内容も含む)も対象となります。
2022年度は、関係会社が独自に設置している窓口への相談を含め、グループ全体で11件の通報が寄せられました。加えて従業員等から寄せられた相談は3件でした。
また、内部通報制度が浸透しているかを把握するため、「従業員意識調査」で内部通報やコンプライアンスに関する質問を設定して内容を分析するとともに、定期的な各種研修の機会に法務部長がコンプライアンスや内部通報制度について講話するなどしています。

情報源は秘密とされ、万が一、情報提供者に対し不利益となる対応が行われた場合は、それを行った者が処分される仕組みとなっています。

■ 従業員等から寄せられた相談件数(2022年度)
項目 件数
人事制度に関するもの 1
パワハラに関するもの 6
職場のコミュニケーション 2
プライバシーに関するもの 1
社員の就業規則違反に関するもの 1
取引先との関係に関するもの 1
業務の処理方法に関するもの 1
品質不正に関するもの 1
合計 14

内部通報制度で寄せられた相談は11件、相談窓口以外に寄せられた相談は3件でした
GRI2-26(助言を求める制度および懸念を提起する制度に関するもの)は、上記と重複しているものを含め1件でした
すべての相談について適切な対応を行いました

■ コンプライアンス教育受講者(2022年度)
研修名 属性 人数
拠点長対象コンプライアンス研修
役員対象コンプライアンス研修
輸出貿易管理(入門編)
改正競争法コンプライアンスプログラム説明会
JCO資料館研修
新入社員研修
キャリア採用者研修
昇格者研修(参与)
役員 25
従業員 1,215

SMMグループ行動基準(2022年10月1日改正)

役員・従業員は、以下の基準を踏まえて行動し、当社グループの経営理念を実現します。

1. コンプライアンス─法やルールの遵守

  • 国内外の法・ルール・社会常識を守ります
  • 法や社会常識に反することは、それが会社の利益になるように見えても、これを行いません

2. 人の尊重

  • 多様性を受け入れ、人格・人権を尊重します
  • 人権侵害や差別的行為およびこれらに加担する行為を行いません

3. 安全や健康の確保

  • 人の生命身体に対する安全や心身の健康を最優先します

4. 人材の育成

  • 部下・後輩を計画的かつ体系的に教育し、活躍の場と機会を与えることで後継者育成に努めるとともに、キャリアの形成を図ります
  • 自らの成長を意識し、自己研鑽に励みます

5. リスクマネジメント

  • リスクを把握し、その発現を予防するとともに、顕在化した場合の影響を最小限度に抑えるように努めます

6. 積極進取の姿勢

  • 慣行・慣例に固執することなく、積極進取の姿勢をもって変革に取り組みます

7. 誇り・やりがい・喜びのある職場

  • 組織間または従業員間の協力によるチームワークを尊重します
  • 報告、連絡、相談がタイムリーにでき、必要な情報が円滑に流れる、自由闊達な職場づくりに貢献します
  • お互いを認め、信じ、多様な価値観を尊重する企業風土の醸成に努めます

8. 社会・地域との関係

  • 社会の一員として、各自の考えに基づき、社会貢献活動に参加します
  • 地域社会との共存共栄を図ります

9. 公私の区別

  • 公私の区別を明確にし、良識に従った行動をします

10. 情報の収集・管理・活用

  • 情報を迅速、適法かつ適切に収集するとともに、適正に管理し、効果的に活用します
  • 業務上知り得た情報は、業務目的のみに使用し、第三者に漏洩しません

11. 知的財産権の取扱

  • 知的財産権は、技術志向の当社グループを支える重要な財産であることを認識し、その創造に努めます
  • 知的財産権は適切に保護し、また有効活用に努めます。同時に他人の知的財産権も尊重します

12. 品質保証

  • 品質マネジメントシステムを継続的に改善し、顧客の満足を得られる商品やサービスを提供します
  • 技術を磨き、顧客の安全と環境に配慮したものづくりを常にめざします

13. 営業・購買活動における姿勢

  • 競争法を遵守し、公正かつ自由な競争に基づいた営業・購買活動を行います

14. 接待・贈答に対する姿勢

  • 接待・贈答は、適法かつ社会的に妥当な範囲で行い、受ける場合も同様とします
  • 公務員等に対する贈賄を禁止する法令を遵守するとともに、政治および行政との健全かつ正常な関係を保ちます

15. 反社会的勢力との関係遮断

  • 反社会的勢力を断固として排除し、一切関係を持ちません

16. 地球環境に対する配慮

  • 脱炭素社会、高度循環社会、自然共生社会の実現のために、温室効果ガス排出の低減、生物多様性への配慮、水資源の有効活用など、地球環境問題の解決に貢献できるよう行動します

17. 国際的な事業活動における姿勢

  • 事業を展開する国や地域の人々との交流に努めるとともに、現地の文化および慣習のみならず、国際的な規範およびその精神を尊重した行動をします