重要課題の背景と取り組み

生態系への配慮と生物多様性の保全

気候変動リスクへの対応としてパリ協定に代表される国際的な取り組みが進む中、CO₂排出量が相対的に多く、また多くの化学物質を取り扱うSMMグループの環境面に対する姿勢が極めて重要です。また、開発地域の生物多様性保全や住民の生活環境の保全は、生活や利害に直結する可能性が高く、環境面で十分な配慮が必要となります。さらに鉱山業においては、尾鉱、鉱滓などを集積 するテーリングダムおよび坑排水の処理等の維持管理を操業停止後も継続していく必要があります。

SMMグループでは、環境汚染の予防に特に重点を置き、設備・管理の両面での対応を継続的に充実させるとともに、万が一トラブルが発生した場合でも外部への影響を極力小さくできるよう訓練や関係者への教育を重ねています。

地域貢献・社会貢献

事業進出地域の周辺地域からの雇用、現地サプライヤーからの調達などの経済活動を積極的に行ない、事業に必要なインフラの整備とそれらを公共利用に供することで、従業員、取引先でもある地域住民の生活安定や地域全体の経済活動の活性化に直接的に関与することとなります。加えて、地域社会との共存共栄と信頼関係向上には、学校や病院の運営、衛生改善といった地域への社 会貢献も重要となります。

これらSMMグループの取り組みによって、地域の生活環境などが改善されることは、当該地域でのSMMグループの事業の持続的な発展につながると考えています。

安全・衛生の確保

安全で快適な職場環境は従業員にとって必須なものであるばかりでなく、会社との信頼関係やモチベーション向上にもつながり、さまざまなリスク発現の可能性が低減すると考えます。さらに従業員の採用や定着率向上、離職率の低減にも好影響を及ぼし、製品の安定供給、生産効率、歩留まりの向上、コストダウンをもたらします。

SMMグループでは、安全の確保においては「安全文化の醸成とライン管理の徹底」を基本として活動を進めています。衛生の確保においては、快適な職場環境の実現に向け特に粉じん、騒音、特定化学物質、有機溶剤の状況を把握し、必要な作業環境改善を通じて労働衛生管理を充実させていきます。

資源の有効活用

天然資源は採掘すれば埋蔵量が減り、やがて枯渇し鉱山の役割を終えるマインアウトを迎えます。資源事業、製錬事業を継続し安定した収益を確保するためには、新規鉱源・権益の獲得は不可欠であり、また、未利用資源を有効に活用していかなければなりません。さらに低品位化、難処理化が進む原料を効率的に製錬し、副産物を資源として有効活用するための技術開発を進めるとともに、HPALやMCLEなどの当社製錬事業が強みとする製錬技術によってコスト競争力をさらに高めていく必要があります。

一方、限りある資源環境において、資源循環としてのリサイクル原料も有効であり、効率的な回収技術の開発を進めるとともにコスト最適化の中でこれらの課題に取り組んでいます。

環境低負荷製品の開発と安定供給

環境破壊、気候変動、人口増加などの社会課題が山積するなか、これらを解決する製品・サービスの市場規模の拡大が予想されます。環境低負荷製品の開発は、当社技術とビジネスプロセスの優位性を活かした製品を通じてCO₂削減に寄与するだけでなく、社会の課題を解決しながら、SMMグループの企業価値向上に大きく影響することになります。

現状では、需要の旺盛な車載用二次電池材料の安定供給と製品開発の重要度が増しており、市場をリードする顧客との連携によって成長を図っていきます。

人材育成と多様な人材の活用

これら事業の成長を支えるのは人材であり、いかなる状況の変化にも適切に対応し、かつビジネスの機会を確実に捉えるためには、住友の事業精神に基づく当社の経営理念と目標を共有する多様な人材の育成が必要不可欠です。

SMMグループではOJT(On-The-Job Training)を基本に自己啓発、OFF-JTの3分野で構成された人材開発体系に基づく育成サイクルをまわすことで、成長戦略を実現するために必要な人材の育成に努めています。近年は特にグローバル人材の育成、次世代経営層の育成、女性活躍支援などを重点項目として推進しています。

人権尊重とコミュニケーション

操業地域における人権への配慮は、自由および身体の安全の権利、移動と居住の自由、財産権など多岐にわたります。開発、事業を展開する局面で、人権への配慮を充分に行なうことがプロジェクトや事業展開の円滑な遂行に影響します。児童労働や開発地域内の労働環境に問題のある小規模鉱山採掘などには特に留意が必要で、問題が生じた場合は操業への影響もあり得ること、また人権侵害に加担していると見なされる恐れもあります。SMMグループがオペレーションする鉱山や事業拠点はもちろんのこと、権益を保有する鉱山についてもパートナー企業と密に情報交換し、人権侵害が起こらないよう、配慮することが必要です。

SMMグループでは、「SMM グループ人権に関する方針」を定めた上ですべての従業員に必要な啓発教育を行なうとともにホットラインの設置や人権デューディリジェンスの実施を通じて適切に状況をモニターし、迅速かつ適切な対応を図っています。

また、透明性のある適時・適切な情報開示の実施が企業としての責任であると考え、すべてのステークホルダーに対して公正に情報を開示するよう努めています。ステークホルダーと同じ方向を向いて事業を進めていくことができるよう、コミュニケーションを通じた相互理解をめざしていきます。

PAGE TOP
PAGE TOP