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住友グループの源流事業を継承、400年のDNA

1590(天正18)年、若干19歳の若者が京都で銅製錬と銅細工の店を開業した。旺盛な好奇心と探究心をもつ彼は、銅製錬技術が未発達だった当時の日本で南蛮人からの伝聞をもとに、粗銅から金や銀を抽出する銅製錬法「南蛮吹き」を開発。貴金属の国外流出すなわち富の源泉の流出を止めたこの技術は、まさに次代を拓く最先端の技術だった。その後も、若者は持ち前の起業家精神を発揮し、銅加工業を開始。これが、やがて世界に誇る大鉱山「別子銅山」の開発と相俟って、後の住友グループへとつながっていったのである。

この若者の名は、蘇我理右衛門(そが・りえもん)――後に“住友家の業祖”と呼ばれる人物である。彼が始めた銅製錬事業こそ、化学分野や重機械分野などへと広がる住友グループ各社の歴史の始まりであり、住友金属鉱山(SMM)の原点である。

【「南蛮吹き」とは】
鉛を使って粗銅に含まれる銀や不純物を取り除く精錬法。「南蛮絞り(しぼり)」とも呼ばれる。銀を含んだ粗銅と鉛を溶かし急冷して作った合金を加熱し、銅の融点以下で溶け出た銀を含む鉛を灰の上でさらに加熱すると、鉛は灰に吸収され、最後に銀だけが残る。この原理を利用することで純度の高い精銅を得られ、銀を採集することができる。この技法は19世紀末まで約300年間にわたって受け継がれ、19世紀初頭に住友家から刊行された「鼓銅図録(こどうずろく)」にも詳しく紹介されている。