新興国のめざましい経済成長を背景に「非鉄金属」の需要と希少価値がますます高まる中で、世界の非鉄金属市場は大きく様変わりしつつある。多くの国と地域で大規模な鉱山開発を進めてきた"非鉄メジャー"が、豊富な資産を活かして競合企業を次々と買収・吸収合併し、事業規模と市場シェアをさらに拡大。その結果、非鉄金属資源の寡占化が進み、需給は逼迫、世界の資源獲得競争が一気に加速してきたのである。
国内で唯一、グローバルメガコンペティションに挑む
このメガコンペティションに国内で唯一の"挑戦権"を持つのが、我が国を代表する総合非鉄金属メーカー、住友金属鉱山(SMM)である。SMMは現在、視線の先に「非鉄メジャー5位以内入り」を捉え、業界再編の波に飲み込まれることなく、世界と闘っていくために事業構造の転換を進めている。2009年度までは「資源・製錬」「電子・機能材料」の2事業体制で事業拡大を図ってきたが、2010年度からの中期経営計画では経営資源の選択と集中の観点から、「資源」「製錬」「材料」の3事業体制とし、単独の資源ビジネスを初めて中核事業に位置付けた。
それぞれの事業に強みを活かして成長戦略を描く
SMMの強みは、"技術力・研究開発力"、"グローバル化"、"健全財務体質"にある。これを上手く活かせば、メガコンペティションの覇者ともなり得る。
単体での収益拡大を目指す「資源」事業では、製錬事業の資源調達から、外販も視野に入れた資源ビジネスへと転換。健全な財務体質を活かして鉱山開発・権益取得を積極化していく。また「製錬」事業では、ニッケル事業でコーラルベイニッケル社(フィリピン国パラワン島)に次ぐ、2つめの海外製錬所の建設を進める。一方、銅事業では資源獲得競争の激化によって原料購入条件が大幅に悪化していることから、さらなる技術開発とコストダウンを進めて収益を改善し、「製錬」事業単独で生き残れる体制を整備する。
さらに「材料」事業では、当社が大きなシェアを持つハイブリッドカー向け電池材料を中心に、LED用基板など環境・エネルギー分野での先端材料の開発と安定供給に努めていく。
こうしてSMMは中核事業への経営資源の集中・投資を積極化しながら事業規模を拡大し、世界の資源獲得競争に一石を投じる"新・非鉄メジャー"へと成長しようとしている。


