非鉄金属資源の有効活用

中期目標と進捗

1. 1)銅鉱山プロジェクトの推進

  • 銅権益生産量30万トン/年の達成と維持に向けJV鉱山の生産体制を強化
  • JV鉱山における鉱山周辺および深部探鉱の強化、選鉱能力の拡張、IoT・AIを活用した操業改善等による着実な銅生産量の達成
  • ケブラダ・ブランカ銅鉱山Phase2以降のプロジェクト推進
2022年度実績 2023年度予定 21中計最終年度
(2024年度)
27中計最終年度
(2030年度)
  • 2022年のJV鉱山における銅生産量(権益分)は実績予想(2022年5月公表)22万トンに対し、実績は20万トンと未達
  • 背景として、モレンシーはトラック人員不足の影響、セロ・ベルデはコロナ禍の影響、カンデラリア/オホス・デル・サラドはトラックの整備遅延と陥没穴事故の影響、ノースパークスは主力鉱体からの品位低下の影響
  • ケブラダ・ブランカ銅鉱山Phase2からの銅精鉱生産開始に注力
  • 2023年のJV 鉱山の銅生産量(権益分)は21万トンと予測
  • 各鉱山ともに2022年の課題を克服するべく対応策を講じており、経営会議や技術会議への参加によりそれらの対策が着実に実施されるよう働きかける
  • ケブラダ・ブランカ銅鉱山Phase2からの銅精鉱生産を開始し、それ以降のプロジェクトについて検討する
達成基準
  • ケブラダ・ブランカ銅鉱山Phase2の生産開始などにより、銅権益生産量27万トン達成
  • 長期ビジョンである銅権益生産量30万トンに向けて、さらなる権益獲得を目指す
行動計画
  • ポストコロナにおいて、JV鉱山において計画以上に生産量が確保できるよう操業現場との連携強化、経営・技術面で貢献
  • 引き続き、JV鉱山において計画以上の生産量が確保できるよう操業現場との連携強化、経営・技術面で貢献

1. 2)新規優良銅金資源の獲得

  • オペレーターシップを持つ新規鉱山の開発
2022年度実績 2023年度予定 21中計最終年度
(2024年度)
27中計最終年度
(2030年度)
  • 2021年に出資したケノーランド・ミネラルズ社等を通じて、新規JV 探鉱プロジェクトへの参入、新規鉱山の買収等に向けた検討を実施
  • そのほか、新規JV探鉱プロジェクトの組成に必要な情報収集、現地調査なども実施
  • 新たなオペレーターシップの獲得に向けて、新規JV 探鉱プロジェクトへの参入、新規鉱山の買収等に向けた情報収集、現地調査などを通じた検討を引き続き実施予定
達成基準
  • 新たなオペレーターシップ獲得に向けて、新規JV探鉱プロジェクトへの参入、新規鉱山の買収等に向けた準備実施
  • 新たなオペレーターシップ獲得に向けて、新規JV探鉱プロジェクトへの参入、新規鉱山の買収等に向けた準備実施
行動計画
  • 新規JV探鉱プロジェクトの組成に必要な情報収集、現地調査実施。また、後期探鉱案件参入など、案件パイプライン管理の充実
  • 新規JV探鉱プロジェクトの組成に必要な情報収集、現地調査実施。また、後期探鉱案件参入など、案件パイプライン管理の充実

1. 3)新技術導入による生産性改善

  • 菱刈鉱山における坑内外の情報インフラ設備、重機の無人化、リモート化の推進
2022年度実績 2023年度予定 21中計最終年度
(2024年度)
27中計最終年度
(2030年度)
  • 菱刈鉱山において、3年計画で坑内Wi-Fi 敷設を進め、また、鉱石の積み込み・運搬を行う地下ロードホールダンプ(LHD)の自動走行と地上からの遠隔操作システムを初めて導入し、坑道での稼働試験を開始
  • 引き続き、坑内Wi-Fi 敷設、LHDの自動走行試験を継続するとともに、ナビゲーション機能を有する穿孔機(ナビジャンボ)、半自動長孔穿孔機などの導入、新規オアソーターの導入による廃石率向上など、新技術の導入によりさらなる操業効率化を図る
達成基準
  • 菱刈鉱山において、情報インフラ(Wi-Fi)の整備、①自動LHD、②自動穿孔機、③重機車両等の遠隔操作・監視などの導入開始
  • 菱刈鉱山において、① 自動LHD、②自動穿孔機、③重機車両等の遠隔操作・監視などが定着(24中計期間中に一部導入予定)、さらなる新技術の導入開始
行動計画
  • 菱刈鉱山への新技術の導入状況を踏まえ、坑内外の情報インフラ整備、重機の無人化、リモート化の推進についてさらなる具体策を検討
  • 菱刈鉱山への新技術の導入状況を踏まえ、坑内外の情報インフラ整備、重機の無人化、リモート化の推進についてさらなる具体策を検討

1. 4)Ni鉱プロジェクトの推進と生産性の改善

  • Ni生産量 15万トン/年
  • 実収率 対2018年度比+2%
2022年度実績 2023年度予定 21中計最終年度
(2024年度)
27中計最終年度
(2030年度)
  • ポマラに代わる新規ニッケルプロジェクト検討を加速
  • CBNCは鉱石品位の変動により目標未達となったが、THPALは目標達成
  • 新規ニッケルプロジェクトの絞り込み、詳細検討継続
  • Ni実収率の維持・向上
達成基準
  • 15万トン/年達成に向けて生産量拡大
  • Ni実収率の維持・向上
  • 15万トン/年達成に向けて生産量拡大
  • Ni実収率の維持・向上
行動計画
  • 生産量拡大に向けた技術開発・工程改善の継続
  • 技術開発などによる工程改善を継続
  • 新規Ni鉱源の探索
  • 生産量拡大に向けた技術開発・工程改善の継続
  • 技術開発などによる工程改善を継続
  • 新規Ni鉱源の探索

1. 4)Ni鉱プロジェクトの推進と生産性の改善

  • 副産物スカンジウムの回収
  • 副産物クロマイトの回収
2022年度実績 2023年度予定 21中計最終年度
(2024年度)
27中計最終年度
(2030年度)
  • スカンジウムは過去最高の生産量を達成
  • クロマイトは過去最高の生産量を達成
  • スカンジウム生産量の拡大
  • クロマイト生産量の拡大
達成基準
  • 計能力まで生産量を拡大
  • 設計能力の生産量を維持
行動計画
  • 実収率の確保と生産量の拡大
  • 実収率の確保と生産量の維持

2. 1)鉱山や製錬工程で発生する不純物を分離、固定、有用化する技術の開発

  • 不純物を固定する技術開発:プロセスの開発と実証
2022年度実績 2023年度予定 21中計最終年度
(2024年度)
27中計最終年度
(2030年度)
  • 銅精鉱からのヒ素除去技術については、これまでの研究成果で得た知見を踏まえつつ、海外の研究開発事例の調査を通じて、今後の操業や他の分離技術への活用を検討
  • 最新研究事例の調査を継続
達成基準
  • 本研究で得た知見の活用
  • 本研究で得た知見の活用
行動計画
  • 本研究で得た知見について今後の操業や他の分離技術への活用を検討
  • 本研究で得た知見について今後の操業や他の分離技術への活用を検討

2. 2)未利用非鉄金属資源の有用化技術の開発

  • 既存(海洋資源開発等)・新規の開発プロジェクトへの貢献
2022年度実績 2023年度予定 21中計最終年度
(2024年度)
27中計最終年度
(2030年度)
  • 政府策定の5年計画の最終年度として、これまでの技術的知見を活かし、熱水鉱床やコバルトリッチクラストのプロジェクトに参画
  • 今後経済産業省において策定される次期海洋エネルギー・鉱物資源開発計画に基づく、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト等を対象としたプロジェクトに参画予定
達成基準
  • 今後経済産業省において策定される次期海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(2023年度以降)について、何らかの形での参画
  • 今後経済産業省において策定される次期海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(2023年度以降)について、何らかの形での参画
行動計画
  • 探査、採鉱・揚鉱、選鉱・製錬などの独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の委員会、個別プロジェクトの研究開発のJV等に参画することにより、産業界として貢献
  • 探査、採鉱・揚鉱、選鉱・製錬などのJOGMECの委員会、個別プロジェクトの研究開発のJV等に参画することにより、産業界として貢献

2. 3)難処理資源からの非鉄金属回収

  • 高不純物塩湖水からのリチウム回収技術と回収ビジネスへの参画
2022年度実績 2023年度予定 21中計最終年度
(2024年度)
27中計最終年度
(2030年度)
  • リチウム直接回収技術(DLE)による商業化検討のための概念設計と設備費の試算を実施
  • リチウム回収率、水使用量を目標に近いレベルまで削減
  • 大学との共同研究で吸着剤開発を推進
  • 実かん水を用いたパイロット試験の開始
  • 商業化の検討を継続
  • リチウム回収時の水使用量の目標値を達成
  • 共同研究での吸着剤開発を継続
達成基準
  • 実用に耐える吸着剤とそれを用いたリチウム化成品製造プロセスの開発
  • 現地パイロット試験などによるプロセス成立性の実証
  • 商業プラント建設および操業への参画(24中計期間中に事業化モデルの検討実施予定)
行動計画
  • 共同研究などによる吸着剤の改良
  • プロセス全体の設計と経済合理性の検証
  • リチウム回収操業への参画、製品品質の安定化
《24中計期間中の実施項目または目標》
  • 実証プラントの建設および試運転によりフィジビリティスタディにつながる与件データ獲得
  • 商業プラントの設計、フィジビリティスタディ

3. 車載二次電池リサイクル技術の実証と事業化

  • コバルト回収が可能な車載リチウムイオン電池リサイクル技術実証ならびに事業化および規模拡大
  • プレ商業プラントの試運転と操業開始:2026年度
2022年度実績 2023年度予定 21中計最終年度
(2024年度)
27中計最終年度
(2030年度)
  • パイロットプラントでの銅・ニッケル・コバルト・リチウムを回収するプロセス検討において、①回収したニッケル・コバルトを使用したユーザーの電池特性評価に合格、②温室効果ガス(Greenhouse Gas: GHG)削減を目的とした前処理方法の最適化
  • GHG削減を目的としたプロセスの検討継続
  • プレ商業プラントの建設工事の開始
達成基準
  • プレ商業プラント建設工事の継続(2026年度プレ商業プラントの試運転開始)
  • プレ商業プラントでの年間1万トンの処理
行動計画
  • プレ商業プラント建設工事の継続
  • プレ商業プラントでの処理量拡大に向けたプロセス改善

4. 1)自社の強みを活かし社会に貢献する新製品・新事業の創出

  • エネルギー、自動車、情報通信分野での新規機能性材料の研究開発、事業化
2022年度実績 2023年度予定 21中計最終年度
(2024年度)
27中計最終年度
(2030年度)
  • 新事業創生システムを運用して新テーマ探索を進行
  • 東北大学と協同でGX材料科学共創研究所を設立し、水素社会・将来電池に関するテーマ探索を開始
  • 新事業創生システムを運用して探索した新テーマ候補を市場調査や大学との協同で絞り込み
  • 東北大学とのビジョン共創では「太陽エネルギー社会」の実現を目指すテーマ探索を、GX材料科学共創研究所では水素社会・将来電池材料テーマ探索を継続し、さらに新テーマ候補を提案
達成基準
  • 事業化につながる研究開発テーマ候補の検討
  • ワーキンググループ活動や、大学との未来共創に関する共同研究等の活動を実施
  • 事業化を見据えたテーマのステージアップ
  • 大学との新事業に関する共同研究の継続
行動計画
  • 新事業創生システムの運用と研究テーマの進捗管理
  • 新たなワーキンググループ活動、大学との共創活動を活用した人材育成とテーマ探索
  • 情報発信サイトX-MINING活用や展示会出展
  • 新事業創生に向けた活動の継続的な改善
《24中計期間中の実施項目または目標》
  • 新事業創生システムの運用と研究テーマの進捗管理
  • 新事業や新テーマを創出する人材の継続的な育成
  • 展示会など情報発信継続

4. 2)自社原料保有による有利・安定調達

  • 燃料電池用NiOの実証試験を経て事業化
2022年度実績 2023年度予定 21中計最終年度
(2024年度)
27中計最終年度
(2030年度)
  • パイロットプラントによる実証試験を継続
  • パイロットプラントによる実証試験を継続
達成基準
  • パイロットプラントによる実証試験を継続
  • フィジビリティスタディにより量産投資判断
  • 燃料電池市場の継続した成長へ対応した事業規模拡大
《24中計期間中の実施項目または目標》
  • 量産設備導入、事業規模拡大
  • 事業採算性確立
行動計画
  • 生産コスト削減と販売価格適正化による採算性改善
  • 量産準備(導入場所、設計、見積)と市場の精査
  • フィジビリティスタディにより量産投資判断
  • 継続した事業性評価と増産投資判断
  • さらなる競争力(コスト、技術他)の獲得
《24中計期間中の実施項目または目標》
  • 量産設備導入と早期立ち上げ
  • 拡販による事業の黒字化

4. 3)有利な自社ニッケル原料の安定調達による、低コスト電池正極材の販売拡大

  • 拡大する正極材料市場で、世界シェアトップクラスを維持
2022年度実績 2023年度予定 21中計最終年度
(2024年度)
27中計最終年度
(2030年度)
  • 2024年度の試運転開始に向け2,000トン/ 月増産起業は建設・人員採用など引き続き計画通り推進
  • 次期増産に関する調査・検討を実施
  • 2,000トン/月増産起業の計画通りの推進および後処理設備起業実施の決定
  • 次期増産に関する調査・検討を継続実施
達成基準
  • 正極材生産7,000トン/月体制に向けて生産能力増強(2025年度完成)
  • シェアトップクラスを維持
  • 1万5,000トン/月体制を構築
  • シェアトップクラスを維持
《24中計期間中の実施項目または目標》
  • 1万トン/月体制確立
  • シェアトップクラスを維持
行動計画
  • 4,850トン/月安定生産体制確立
  • 2,000トン/月増産起業推進
  • 1万5,000トン/月体制を目指す(24中計期間中に1万トン/月体制を目指す)