考え方・推進体制
住友金属鉱山グループのサステナビリティ
GRI 2-6/2-22/3-1
当社グループは1590年より永きにわたり営まれてきた住友の源流事業である鉱山運営、製錬事業を受け継ぐ企業であり、住友の事業精神を企業行動の中心に据えています。住友の事業精神の第1条には、社会的な信用や相互の信頼関係を大切にし、何事も誠意をもって確実に対応することが定められています。特に鉱山運営においては、目的の天然資源が存在する場所で採掘活動を行う必要があり、またその事業は一般に数十年といった長期間にわたることから、操業地域における様々なステークホルダーとの信頼関係の構築・維持が事業継続の大前提であることを示しています。
この住友の事業精神に基づき定めた当社グループの経営理念では、「地球および社会との共存」を謳っており、事業精神が示す信頼関係構築、維持の手段を示すとともに、明るく活力ある企業の実現として「人間尊重」を掲げています。
そして、「地球および社会との共存」と「人間尊重」を通じて目指すサステナビリティへの取り組み姿勢を定めたものが住友金属鉱山グループサステナビリティ方針であり、社会の持続的発展への貢献を経営課題として明確に位置付けるとともに、貢献の持続性の担保と貢献度の向上を目的として自社の持続的な成長も併せて定めています。これは、住友の精神として受け継がれる「自利利他公私一如」(住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)によります。
このサステナビリティ方針の実現に向けて重要課題として特定し、重要課題ごとに「2030年のありたい姿」を策定しました。このように、当社グループのサステナビリティへの姿勢は、「地球および社会との共存」と「人間尊重」を理念とし、社会的な信用や相互の信頼関係を大切にしたうえで、社会の持続的発展と自社の持続的成長の両立を目指すものです。
バリューチェーンにおけるサステナビリティ課題
GRI 2-6/3-1
当社グループ事業のバリューチェーンにおいて、社会に対してどのような影響を及ぼす可能性があるのかという観点でサステナビリティ課題をマッピングしました。サステナビリティ課題は「鉱業のためのGlobal Reporting Initiative(GRI)セクタースタンダード」※で示される重要課題の項目を参照しました。
住友金属鉱山グループサステナビリティ方針
GRI 2-22/2-23
住友金属鉱山グループは、社会の持続的発展に貢献する経営課題に取り組み、事業の持続的な成長と企業価値の向上を図ります。
サステナビリティ推進体制
GRI 2-12/2-13/2-14/2-24
当社グループは住友の事業精神に基づき、長年にわたり一貫して事業を通じた社会課題の解決に取り組んできました。2008年には「2020年のありたい姿」を策定し、現体制の前身となるCSR委員会を設けて、将来のありたい姿の実現に必要な重要課題を特定し、KPIを定めて目標に向けた取り組みを行ってきました。
2020年には「2030年のありたい姿」を策定し、2022年には経営とサステナビリティをより整合性を持って進めることを目指し、これまでのCSR推進体制からサステナビリティ推進体制へと再編しました。2025年3月には「2030年のありたい姿」の重要課題を見直すとともに、サステナビリティ部会の改組、サプライチェーンマネジメント分科会の新設など、体制を変更しました。
サステナビリティ推進に関する組織図

取締役会
取締役会が 担う機能 |
|
---|
サステナビリティ委員会
委員長 | 社長 |
---|---|
副委員長 | サステナビリティ担当役員(経営企画部所管執行役員) |
委員※ | 事業本部長、事業室長、技術本部長、技術本部技術企画部長、工務本部長、工務本部生産技術部長、本社部室長
会長、社外取締役および監査役はオブザーバーとして出席 |
事務局 | サステナビリティ推進部・経営企画部 |
開催回数 | 2024年度 10回(うち臨時 4回) |
審議内容 |
|
2024年度の 主な議題 |
|
取締役会 |
2024年度は重要課題と「2030年のありたい姿」改正、改正後の推進体制等について審議・承認 |
■サステナビリティ部会
各部会にて重要課題ごとに2030年までのロードマップを描き、KPIの進捗を管理しています。
部会名 | 部会長 | 副部会長 | 重要課題 |
---|---|---|---|
サーキュラーエコノミー部会 | 技術本部長 | 金属事業本部長 | 非鉄金属の安定供給とサーキュラーエコノミーへの貢献 |
地球環境保全部会 | 安全環境部長 | — | 地球環境保全 |
人的資本部会 | 人事部長 | 安全環境部長 広報IR部長 |
人的資本経営 |
地域社会共存共栄部会 | 総務部長 | — | 地域社会との共存共栄 |
■マネジメントシステム分科会
当社グループの主要なマネジメントシステムを組織横断的に推進し、経営基盤を強化する役割として各分科会を設置し、活動計画の進捗を確認しています。
分科会名 | 分科会長 | 副分科会長 | 重要課題・テーマ |
---|---|---|---|
リスクマネジメント分科会 | 経営企画部所管執行役員 | 安全環境部所管執行役員 | リスクマネジメント |
コンプライアンス分科会 | 法務部所管執行役員 | 法務部長 | コンプライアンス |
品質分科会 | 品質保証部長 | — | 品質保証 |
「責任ある鉱物調達」分科会 | 金属事業本部長 | サステナビリティ推進部長 | サプライチェーンマネジメント |
サプライチェーンマネジメント分科会 | 電池材料事業本部長 | サステナビリティ推進部長 |
■企業価値向上戦略会議、DX推進委員会、カーボンニュートラル推進委員会
会議・委員会名 | 議長、委員長 | 副議長、副委員長 | 目的 |
---|---|---|---|
企業価値向上戦略会議 | 経営企画部 所管執行役員 |
経営企画部長 | 当社グループ事業の持続的成長を実現し企業価値を向上させるため |
DX推進委員会 | 技術本部 所管執行役員 |
DX推進部長 | 当社グループが目指すべきDXの将来像を明確にして、DXの全社的な推進による経営への寄与を最大化するため |
カーボンニュートラル推進委員会 | 技術本部 所管執行役員 |
安全環境部 所管執行役員 |
当社グループが目指すべきカーボンニュートラル実現に向けた方針、道筋を明確にして、迅速かつ強力に推進するため |