サステナビリティ

トップメッセージ

Message from the President

GRI 2-22

「変革」こそが「継続」の源泉
先人に思いを馳せつつ世界の潮流に応える

長期ビジョン「世界の非鉄リーダー」を目指す意義

代表取締役社長 松本伸弘

当社グループが長期ビジョンに掲げる「世界の非鉄リーダー」とは、資源獲得競争が激しさを増す中にあっても、海外の非鉄金属大手企業ともグローバルに協調しながら必要な資源を確保し、社会の発展や人々の暮らしを支える銅やニッケルなどの非鉄金属・材料を安定的に供給することで、当社グループとしての社会的責任を果たし続けるという姿勢を示したものです。
この考え方は、時代や環境が変化しても変わることはありません。
当社グループはこれまでも、住友の事業精神に基づく事業運営のもと、先人たちが進めてきたさまざまな「変革」を通じて、事業を通じた社会課題の解決に取り組み、幾度となく大きな事業環境の変化を乗り越えてきました。

当社とサステナビリティ経営

当社グループは1590年、日本国内での銅の製錬事業から歩みを始め、1691年には別子銅山の開発に着手しました。鉱山・製錬事業は当社グループの原点であり、自然への影響を十分に認識したうえで、環境や地域社会への負荷をできる限り抑えるとともに、地域社会への貢献に努めることで、社会からの信頼を得ながら事業を継続してきました。
住友の事業精神には「自利利他公私一如」という言葉があります。これは、「住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、社会を利するものでなければならない」という考え方を示しています。私たちは、この精神こそが現代におけるサステナビリティ経営の考え方に通じるものだと考えています。
こうした真摯な事業姿勢は、当社グループが長期ビジョンに掲げる「世界の非鉄リーダー」を実現するうえで欠かせないものです。430年余にわたり事業を継続し、発展してきたことは、サステナビリティへの取り組みが企業価値の向上につながりうることを示していると考えています。

「2030年のありたい姿」と重要課題の見直し

当社グループは2020年3月、長期ビジョン「世界の非鉄リーダー」の実現に向けて、重要課題(マテリアリティ)を明確にし、課題ごとに「2030年のありたい姿」を設定しました。
さらに2025年3月には、地球温暖化をはじめとするサステナビリティ課題への対応、デジタル技術の進展、地政学リスクなど社会環境の変化を踏まえ、重要課題を従来の11項目から6項目へと集約しました。あわせて、達成すべきKPIも再設定し、部門横断で推進する体制も見直しました。現在は、2030年度のKPI達成に向けてロードマップを策定し、進捗を管理しています。
当社グループは、最大の強みである「ものづくり力」を活かしながら、これらの重要課題に一つひとつ取り組むことで、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上の両立を目指します。

「ものづくり力」を活かし、社会への責任を果たしていく

この1年だけでも、中東情勢に代表される地政学リスクの高まりに加え、AIをはじめとするデジタル化の進展、金属市場や為替など事業環境の変化が一段と大きくなっていると感じています。
AIトランスフォーメーション、カーボンニュートラル社会への移行、自動車の電動化、水素社会の到来など、足元で進む大きな変化に対応し、事業を通じた社会課題の解決につなげていくためには、従業員一人ひとりが6項目の重要課題を自分ごととして捉え、組織、事業、生産プロセス、製品、顧客対応、さらには日々の仕事の進め方に至るまで、柔軟な発想で変えていくことが必要です。
こうした変革を実践してこそ、銅やニッケルなど、持続可能な社会の実現に欠かせない素材を安定的に供給し続けるという、当社グループの社会的責任を果たすことにつながると考えています。
また近年は、当社の独自技術を生かした近赤外線吸収素材「SOLAMENT®」が、自動車のウィンドウフィルムに加え、酷暑対策向けの衣料素材や農業用ビニールハウス用途などへも事業展開が進んでいます。直近では、AI、データセンター向けの需要の急拡大から、データセンターのバックアップ電源に電気自動車向けの蓄電池正極材料の技術が活用されたり、高度情報通信に必要な光学素子(ファラデーローテーター:FR)に増産要請をいただいたり、次世代半導体の低温接合材として微粒銅粉(耐酸化ナノ銅粉)に注目が集まるなど、材料分野が新たな広がりを見せています。このように、これまで培ってきた当社の「ものづくり力」が、オープンイノベーションを通じた共創によって気候変動をはじめとする社会課題の解決につながり、さらなる企業価値の向上にも寄与すると考えています。
今後も当社グループは、住友の事業精神に基づき、ステークホルダーの皆様との協力・連携のもと、社会に対する責任を果たし続けてまいります。

代表取締役社長

松本 伸弘