コーポレートガバナンス
- 基本的な考え方・体制
- ガバナンス強化への取り組み
- コーポレートガバナンス体制
- 取締役会のあるべき姿
- 意思決定・監督体制
- 監査体制
- 取締役候補者の指名および経営陣幹部の選解任の手続、監査役候補者の指名の手続
- 最高経営責任者等の後継者計画の取締役会の関与
- 取締役会の全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性および規模に関する考え方
- 取締役・監査役に対するトレーニングの方針
- 取締役の報酬の基本方針と手続
- 経営陣の報酬のインセンティブ付け
- 監査役の報酬の手続等の額の具体的な決定手続
- 役員の報酬等の総額
- 取締役会全体の実効性についての分析・評価とその結果
- 監査役監査および監査役会の実効性についての分析・評価とその結果
- 業務執行体制
- 政策保有株式について
基本的な考え方・体制
当社は、コーポレートガバナンスを、当社グループの企業価値の最大化と健全性の確保を両立させるために企業活動を規律する仕組みであり、経営上最も重要な課題の一つと位置付けています。
当社は、「住友の事業精神」を基本とした「SMMグループ経営理念」を定めており、コーポレートガバナンスの充実に努めることにより、「SMMグループ経営理念」の達成に向けて効率的かつ健全な企業活動を行い、社会への貢献と株主をはじめとするステークホルダーへの責任を果たしていきます。
コーポレートガバナンスに関する基本方針の策定
当社は、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方や、ステークホルダーとの関係、ガバナンスの体制などコーポレートガバナンスの枠組みをまとめた「コーポレートガバナンスに関する基本方針」を策定しています。
コーポレートガバナンス体制の概要(2024年6月26日現在)
機関設計 | 監査役会設置会社 |
---|---|
取締役の人数/任期 | 8名/1年 |
取締役のうち、独立社外取締役の人数 | 3名 |
取締役会の議長 | 野崎 明 |
取締役候補者選定における社外取締役の関与 | 有 |
報酬決定における社外取締役の関与 | 有 |
会計監査人 | 有限責任 あずさ監査法人 |
ガバナンス強化への取り組み
当社は、コーポレートガバナンスに関する基本方針に基づき、今後もより良いコーポレートガバナンスを実現するため、法令改正や社会情勢などを踏まえ、常に現在の状況を見直し、改善・深化を図っていきます。例えば2007年の社外取締役の設置をはじめとして、任意の委員会であるガバナンス委員会の設置や取締役会および監査役会のそれぞれの実効性評価の実施など様々な改善を図ってきました。
当社のガバナンスの変遷
- 人数は、株主総会後の人数
コーポレートガバナンス体制
当社のコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方や枠組みをまとめた「コーポレートガバナンスに関する基本方針」のとおり、 当社のガバナンスは、 経営における執行と監視・監督のそれぞれの機能が十分に発揮されるシステムとして、監査役会設置会社および執行役員制度を採用し、取締役会による「意思決定・監督」、社長および執行役員による「業務執行」、そして監査役および会計監査人による「監査」という3区分の組織体制により運営されています。
取締役会の社外取締役比率
ガバナンス委員会の社外取締役比率
女性取締役比率
社外役員(社外取締役・社外監査役)比率
取締役の在任年数の構成比
(2024年6月26日現在)
取締役会のあるべき姿
当社は、資源・製錬・材料の3事業をコアビジネスと位置付け、長期ビジョン「『世界の非鉄リーダー』を目指す」を掲げています。これらの事業はいずれも非鉄金属に関わる事業であり相互に有機的な関連を持ち、多様な経営課題に対して取締役会が自ら意思決定を行える事業内容と規模であると考えています。また、現在強化を図っている3事業間の連携という面でも、各事業に強い独立性を与えて独自の意思決定を認めるよりも、取締役会自らが総合的に意思決定を行うことが会社の成長をより促すことにつながると考えています。そのため、執行全体を事後的に監督するモニタリング・モデルではなく、マネジメント・モデルを原則として採ることが当社のガバナンスとして適していると考えています。
また、当社グループの事業の特性上、経営基盤(特にコンプライアンス、安全、環境)の強化が重要であり、監査役が取締役や執行役員などに対して忌憚なく課題を指摘できる体制を整えておく必要があると考えます。この点から、独任制※という権限を保障された監査役が、4年間にわたり安定して監査機能を発揮することが期待できる監査役会設置会社の機関設計を採用しています。なお、監査役には取締役会の決定事項に関する招集権および取締役会の議決権がなく、その結果として取締役の解任提案を取締役会に対してすることができないことが監査役会設置会社の課題であると認識しています。この課題に対しては、複数(3分の1以上)の社外取締役を設置し、ガバナンス委員会委員に就任いただき、ガバナンス委員会において取締役および執行役員等の選解任を取り扱うことにより課題を乗り越えるべく取り組んでいます。
- 独任制:監査役が単独で権限(調査権·差止請求権等)を行使できる制度
意思決定・監督体制
取締役・取締役会
取締役8名(社外3名)
任期:1年
2023年度開催実績:16回
2024年6月26日現在
取締役会は、当社事業の各分野に精通した当社出身者に加え、社内出身者とは異なる知識、経験、能力、見識等を有し、株主をはじめとするステークホルダーに代わって経営陣を監督することのできる社外有識者を招聘することにより、多様性を持った構成としています。
さらに、より透明性の高い経営を目指し、取締役のうち3分の1以上を独立した社外取締役とする方針としており、取締役8名のうち、経営者としての経験を持つ者を含む3名を独立した社外取締役として選任しています。
当社の取締役のうち、執行役員を兼ねる取締役は4名となっております。利益相反については日本法に基づいて対応しています。支配株主は存在していません。
取締役会における主な議題
- 各事業の既存・新規プロジェクト関連(決議)
- 借入等の資金調達(決議)
- 水に関する方針を含む重要規程等の制定・改定等(決議)
- 政策保有株式の保有状況(報告)
- 機関投資家との対話内容(報告)
- 監査役監査や内部監査の計画・結果(報告)
- 人事制度関連等(報告)
- サステナビリティ課題(討議)
- 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応(討議)
取締役会では、サステナビリティ委員会審議内容について年2回報告が行われるとともに、年1回サステナビリティについて意見交換が行われています。2023年度には、進捗状況の詳細と外部環境変化をふまえた今後取り組むべき課題について意見交換を行いました。また、内部通報制度の利用状況や対応状況についても定期的に報告されています。なお、苦情処理(救済)メカニズムとして、サプライヤー等外部から苦情を受け付ける窓口「一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)」に寄せられた苦情についても報告対象としています。
重大な懸念事項が発生した場合は取締役会に報告することとしていますが、2023年度に報告された重大な懸念のある事項はありませんでした。
取締役会が行うステークホルダー・エンゲージメントでは、顧客・取引先は事業部門、従業員は人事部、株主・投資家は広報IR部に権限を委譲して実施しています。
なお、投資家との対話状況については、広報IR部より年1回報告されています。
ガバナンス委員会
ガバナンス委員会委員4名(社外3名)
2023年度開催実績:6回(指名:3回、報酬:2回、ガバナンス全般:1回)
2024年6月26日現在
執行役員でない取締役会長1名および独立社外取締役3名で構成され、取締役、執行役員等の指名や報酬の決定などのコーポレートガバナンス上の重要事項について、社長に対して客観的な立場から助言を行うことを目的として設置しています。
社外取締役の役割・機能
社外取締役には、アドバイザリー機能とモニタリング機能の2つを期待しています。
アドバイザリー機能に関しては、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、自らの経験等を背景に当社の従来の考え方や枠組みにとらわれることなく助言および判断いただき、取締役会の意思決定の質が高まることを期待しています。
モニタリング機能に関しては、独立した客観的な立場から、取締役会を通じて経営に対するチェック機能を発揮していただくとともに、ガバナンス委員会の委員として、取締役の指名や報酬等の意思決定に際し助言を行うことを通じて株主をはじめとするステークホルダーに代わって経営陣を監督していただきたいと考えています。
監査体制
監査役・監査役会
監査役4名(社外2名)
2023年度開催実績:15回
2024年6月26日現在
監査役は4名(常勤の監査役2名および社外監査役2名)で構成されています。当社出身の常勤の監査役は社内の情報を的確かつタイムリーに収集し、これに基づき的確な監査を実施する一方で、社外監査役は様々な専門知識や多角的な視点を活かした監査を実施しています。
各監査役は、経営の健全性の確保および当社の企業価値の向上を図るため、監査役会が定めた監査の方針、監査計画等に従い、取締役会その他重要な会議等に出席し、取締役、執行役員および使用人等からその職務の執行状況について報告を受けるほか、国内外の各拠点への往査活動を通じて、業務執行状況や固有の課題、内部統制システムの整備・運用状況を確認しています。また、常勤の監査役が重要な決裁書類等の閲覧や関係部門からの報告等を通じて収集した情報は社外監査役と共有し、監査役間で協議しています。
監査役会における主な議題
- 監査役監査計画(月次、年度)
- 監査役監査実績(月次、年度)
- 取締役会各議題内容確認
- 事業環境情報
- 監査役会監査報告書
- 監査役会実効性分析評価結果
社外監査役の役割・機能
社外監査役には、経営の健全性の確保および中長期的な企業価値の向上を図るため、常勤の監査役と十分な連携を行いながら、自らの財務・会計・法務をはじめとする専門分野の知見、経験等に基づき、実効的な監査を行っていただくことを期待しています。
また、監査の一環として取締役会をはじめとする重要な会議に参加し、意思決定の過程において、独立した客観的な立場から、提案内容の適法性のみならず、妥当性を含め、積極的に忌憚のない意見を述べていただくことを期待しています。
内部監査部門、会計監査人と監査役の連携
内部監査部門である監査部は、当社グループ全体を対象として業務執行の監査を定期的に行っています。
監査部は、監査役および監査役会に対しては監査計画の説明をはじめ、適宜情報を提供しています。一方、監査役も、監査役会で決定した監査計画を監査部に提供し、監査部の監査に立ち会うことがあるほか、執行役員や部門長に対する内部監査結果の報告会に同席しており、2023年度は20回出席しました。会計監査人は現在、有限責任あずさ監査法人が務めており、独立監査人として会計監査および内部統制監査を実施しています。会計監査人と監査役の間でも、監査役が監査計画を会計監査人に提供し、会計監査人から監査計画の説明、四半期レビュー報告および監査結果の報告を受けるなど、連携を図っています。
社外取締役との連携
社外取締役・監査役連絡会の開催
経営から独立した立場である社外取締役と監査役間で定期的に意見交換を図り問題意識を共有するため、2022年度より実施しています。2023年度は8月と3月に開催し、監査役から監査役往査結果の概要等について情報提供し、広く意見交換を実施しました。
その他
監査役往査や部門長ヒアリング等の実施計画は社外取締役にも共有しており、2023年度は、社外取締役も一部の監査役往査、部門長ヒアリング等に同行、同席しています。
取締役候補者の指名および経営陣幹部の選解任の手続、監査役候補者の指名の手続
取締役候補者の指名にあたっては、社長が、当社が持続可能な発展をするうえで現在および今後の経営が向き合うべき課題(経済、環境および人々(人権を含む)に与えるプラスまたはマイナスのインパクトなどを含む)を解決するための最善の布陣について、候補者の知識、経験、能力、見識等を総合的に勘案し、執行役員でない取締役会長および株主をはじめとするステークホルダーに代わって経営陣を監督する独立社外取締役で構成するガバナンス委員会において助言を得たうえで、適任者を取締役会に提案します。取締役会は、提案を受け審議し、候補者を決定します。
執行役員候補者の選定にあたっては、社長が、各執行役員からの推薦を踏まえ、候補者の知識、経験、能力、見識等を総合的に勘案し、取締役候補者と同様の手続きを経て決定します。
なお、ガバナンス委員会において、次期社長を育成する環境や方法、候補者等について審議する機会を設けます。また、執行役員に不正・不当または背信的な行為があった場合など、著しく適格性に欠ける場合には、ガバナンス委員会において助言を得たうえで、取締役会の決議により解任できることとしています。
監査役候補者の指名にあたっては、社長が候補者の資質、財務・会計・法務に関する知識を含む知識、経験、能力、見識等について総合的に勘案し、監査役会の事前の承認を得たうえで、適任者を取締役会に提案し取締役会において決定します。
最高経営責任者等の後継者計画の取締役会の関与
最高経営責任者(取締役社長)の後継者計画いわゆるサクセッションプランは、経営理念や経営計画を踏まえて適切に策定し、実施されています。社長の後継者候補に関しては、執行役員でない取締役会長1名、独立社外取締役3名で構成するガバナンス委員会において、次期社長を育成する環境や方法、候補者等について審議する機会を設けています。
具体的な社長の後継者の選定にあたっては、社長の推薦する候補者をガバナンス委員会に諮り、候補者が取締役社長に相応しい資質、知識、経験、能力、見識等を有するか助言を得たうえで、社長が最終案を取締役会に提案し、取締役会において審議のうえ最終決定しています。
また、将来的な社長候補者のプールとなる執行役員候補者の選定にあたっては、社長が、各執行役員からの推薦を踏まえ、経営が向き合う課題解決のための最善の布陣について、ガバナンス委員会に諮り、その助言を参考に最終案を作成し取締役会に提案しています。これを受け、取締役会において審議のうえ最終決定しています。
取締役会の全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性および規模に関する考え方
取締役会は、当社事業の各分野に精通した当社出身者に加え、社内出身者とは異なる知識、経験、能力、見識等を有する社外有識者を招聘することにより、多様性を持った構成とします。「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」に記載している「取締役会のあるべき姿」を踏まえ、取締役および監査役のスキル・マトリックスを下記の通り作成しています。各スキル項目は、長期ビジョンや「2030年のありたい姿」の実現のために必要なものを中心に取締役会での議論を経て選定しています。当社取締役会に求められる知識、経験、能力、見識等は、経営戦略や外部環境の変化に応じて変わり得るため、今後も必要な知識、経験、能力、見識等について取締役会で議論し、必要に応じてスキル・マトリックスを更新します。取締役会の規模については、取締役会の機動性を確保し活発な議論を行ううえで適切な人数とします。また、取締役のうち3分の1以上を独立した社外取締役として選任し、より透明性の高い経営を目指します。
取締役会のスキル・マトリックス
- 取締役および監査役がそれぞれ取締役会に特に貢献できると考える項目に●をつけています。なお、各スキル項目の充足の目安を定めており、その詳細については「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の最終ページに公表しています。
社外取締役・社外監査役
出席状況(2023年度) | 企業統治において果たす機能および役割 | |
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社外取締役 石井 妙子 |
取締役会 15回/16回(93%) |
弁護士として特に労働分野をはじめとする豊富な専門知識と経験を有しております。当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、自身の経験等を背景に特にコンプライアンスや人事・労務関連分野に関して助言をいただき、取締役会の意思決定に参加していただいています。また、独立した客観的な立場から、取締役会を通じて経営に対するチェック機能を発揮しており、ガバナンス委員会の委員長として、取締役及び執行役員の指名や報酬等の意思決定に際し助言を行うことを通じて株主をはじめとするステークホルダーに代わって経営陣を監督していただいています。これらにより、取締役会の意思決定の質のさらなる向上を実現し、あわせて監督機能を充実していただいております。 |
社外取締役 木下 学 |
取締役会 16回/16回(100%) |
日本電気株式会社にて執行役員副社長等の職責を担い、会社経営及びデジタルビジネスに関する豊富な知識と経験を有しております。当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、自身の経験等を背景に特に事業環境の変化が著しい材料事業やデジタル分野に関して助言をいただき、取締役会の意思決定に参加していただいています。また、独立した客観的な立場から、取締役会を通じて経営に対するチェック機能を発揮しており、ガバナンス委員会の委員として、取締役及び執行役員の指名や報酬等の意思決定に際し助言を行うことを通じて株主をはじめとするステークホルダーに代わって経営陣を監督していただいています。これらにより、取締役会の意思決定の質のさらなる向上を実現し、あわせて監督機能を充実していただいております。 |
社外取締役 竹内 光二 |
取締役会 ー |
味の素グループの半導体パッケージ基板用材料の研究開発に長年にわたって携わったほか、電子材料事業での実務経験を有し、また、その主要子会社では取締役副社長等の職責を担うなど、会社経営および機能性材料に関わる事業に関する豊富な知識と経験を有しております。当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、ご自身の経験等を背景に、とりわけ研究開発や材料事業に関して助言をいただき、取締役会の意思決定に参加していただくことを期待しております。また、独立した客観的な立場から、取締役会を通じて経営に対するチェック機能を発揮していただくとともに、ガバナンス委員会の委員として、取締役および執行役員の指名や報酬等の意思決定に際し助言を行うことを通じて株主をはじめとするステークホルダーに代わって経営陣を監督していただきます。これらにより、取締役会の意思決定の質のさらなる向上を実現し、あわせて監督機能を充実させていただくことが期待できるため、社外取締役に選任いたしました。 |
社外監査役 若松 昭司 |
取締役会 16回/16回(100%) 監査役会 15回/15回(100%) |
監査法人における長年にわたる監査の経験及び会計に関する豊富な知識を有しております。当社グループの経営の健全性の確保及び中長期的な企業価値の向上を図るため、常勤の監査役と十分な連携を行いながら、自身の知見、経験等に基づき、特に会計分野で実効的な監査を行っていただいています。また、監査の一環として取締役会をはじめとする重要な会議に参加し、意思決定の過程において、独立した客観的な立場から、提案内容の適法性のみならず、妥当性を含め、積極的に忌憚のない意見を述べていただいております。 |
社外監査役 家田 嗣也 |
取締役会 ー 監査役会 ー |
金融機関における長年にわたる豊富な経験と会社経営に関する知見を有しております。当社グループの経営の健全性の確保および中長期的な企業価値の向上を図るため、常勤の監査役と十分な連携を行いながら、金融分野を中心とするご自身の知見、経験等に基づき、実効的な監査を行っていただくことを期待しています。また、監査の一環として取締役会をはじめとする重要な会議に参加し、意思決定の過程において、独立した客観的な立場から、提案内容の適法性のみならず、妥当性を含め、積極的に忌憚のない意見を述べていただくことを期待しており、社外監査役として選任しております。 |
- 社外取締役・社外監査役の兼職状況(2024年3月31日現在)は、第99期定時株主総会報告書(電子提供措置事項記載書面)に掲載しています。
独立性の基準
当社は、社外取締役および社外監査役全員を株主と利益相反の生じるおそれのない独立役員として届け出ています。なお、当社が定める独立性基準については、以下のリンクをご参照ください。
社外役員協議会
2016年8月より、社外役員(社外取締役および社外監査役)の情報交換・認識共有の機会を確保するため、社外役員のみが出席する懇談の場として社外役員協議会を開催しております。2023年度は8月と3月に開催し、コーポレートガバナンスの潮流や取締役会の実効性向上等に関して広く意見交換を実施しました。
取締役・監査役に対するトレーニングの方針
取締役および監査役の研修は、個々人の自己研鑽を基本としますが、自己研鑽に資するよう、トレーニングの機会の提供・斡旋やその費用の支援を行います。
具体的には、新任の取締役、監査役および執行役員に対しては、就任時に役員の法的責任、コンプライアンスおよび法律知識に関する研修を実施します。また、取締役、監査役および執行役員その他を対象として、種々の社内研修を開催し、弁護士その他の社外有識者による講演等を通じて時宜に応じた情報の収集がなされるように努めます。そのほか、社外セミナーの紹介等、トレーニング機会に関する情報を提供します。
上記を含め、取締役・監査役および執行役員のトレーニングに要する費用は、当社が全額を負担します。
取締役の報酬の基本方針と手続
基本方針
当社の取締役の報酬は、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上ならびに経営基盤の強化、維持に資するインセンティブとして十分機能するよう、当社の事業構造を踏まえ、中長期の目標達成のためにモチベ―ションが上がるよう設計した、業績と連動した報酬制度とします。個々の取締役の報酬の決定に際しては、公平性を期すために、あらかじめ決められた計算式に則って報酬額を導き出すこととしており、各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本方針とします。
具体的には、取締役(代表権のない取締役会長および社外取締役を除く)の報酬は、基本報酬および賞与とします。基本報酬は、固定報酬(業績連動報酬等および非金銭報酬等のいずれでもないもの)および業績連動報酬等により構成し、賞与は業績連動報酬等とします。代表権のない取締役会長および社外取締役の報酬は、基本報酬のみとし、賞与は支給しません。
基本報酬は、個人ごとの年額を算出し月割りで毎月支給し、賞与は、定時株主総会で承認を得た後に年1回支給します。
「取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針」の内容の概要の詳細については、第99期定時株主総会報告書に掲載しています。
なお、今年度の業績連動報酬の対象となる取締役の固定報酬と業績連動報酬の比率は、およそ2:1となります。
業績連動報酬等に関する事項
業績指標は、「連結業績(親会社の所有者に帰属する当期利益及び税引前当期利益)」、「部門業績(ROCE(使用資本利益率)、フリーキャッシュ・フロー及びセグメント利益)」、「中長期的な経営戦略に沿って設定される個人目標の到達度」および「安全成績(労働災害の件数)」等を採用しています。
指標の選定理由
- 連結業績(親会社の所有者に帰属する当期利益及び税引前当期利益)
企業経営の評価指標としており長期ビジョンにおいて会社が到達すべき利益目標としているためです。 - 部門業績
効率性、キャッシュ・フローおよび利益の絶対額という3つの基準でバランスよく評価するためです。 - 中長期的な経営戦略※1に沿って設定される個人目標の到達度
持続的な企業価値向上の実現のためには、中長期的な視点で着実に計画を遂行していく必要があるためです。 - 安全成績
従業員の安全確保を経営の基本としているためです。
- ※121中計で掲げた成長戦略、競争力強化策、サステナビリティ向上策など
業績連動報酬等の金額の決定方法
業績連動報酬等の額は、職位別業績連動報酬等の額に個人別業績反映額を加えて算定します。
各算定方法の詳細は、第99期定時株主総会報告書(電子提供措置事項記載書面)「業績連動報酬等に関する事項」に掲載しています。なお、契約金または採用時インセンティブ、契約終了手当、業績連動型報酬返還(クローバック)制度、退職慰労金はありません。
年間報酬総額の比率(2023年度)
組織の高額報酬受給者と全従業員の年間報酬総額の比率※2 | 975% |
---|---|
組織の高額報酬受給者と全従業員の年間報酬総額増加率の比率※3 | - |
- ※2組織の高額報酬受給者の年間報酬総額は、社内取締役の年間報酬総額(使用人給与を含む)÷員数で算出
年間報酬総額の比率は、組織の高額報酬受給者の年間報酬総額÷全従業員の年間報酬総額の中央値×100で算出 - ※3増加率の比率は、組織の高額報酬受給者の年間報酬総額の増加率÷全従業員の年間報酬総額の増加率の中央値×100で算出
経営陣の報酬のインセンティブ付け
当社の業績は、その時々の金属市況や為替相場の影響を大きく受けるため、経営戦略やプロジェクトの達成状況と必ずしも連動しません。また、資源開発や製錬プラント建設に関するプロジェクトは着手から完了まで非常に長い時間を要し、その成果を享受できる時には経営陣の構成が変わっていることも珍しくありません。 このような事業の特性を踏まえ、当社では、報酬が個々の取締役や経営陣に対する健全なインセンティブとして機能することを考慮して、連結業績や中長期的な経営戦略に沿った個人目標の到達度等を評価項目とする業績連動報酬および賞与から成る現在の報酬制度を定めています。現時点では、自社株報酬は経営陣の健全なインセンティブとして有効に機能すると考えていないため導入していません。
監査役の報酬の手続等の額の具体的な決定手続
監査役の基本報酬の額は、株主総会で承認を受けた報酬総額の範囲内において、監査役会における監査役の協議により、個別の監査役の報酬額を決定します。
役員の報酬等の総額
2023年度取締役および監査役の報酬
役員区分 | 報酬等の総額 | 基本報酬等 | 役員の 員数 |
||
---|---|---|---|---|---|
固定報酬 | 業績連動 報酬等 |
非金銭 報酬等 |
|||
取締役(社外取締役を除く) | 345百万円 | 252百万円 | 93百万円 | − | 6名 |
監査役(社外監査役を除く) | 68百万円 | 68百万円 | - | - | 2名 |
社外取締役 | 41百万円 | 41百万円 | - | - | 4名 |
社外監査役 | 25百万円 | 25百万円 | - | - | 2名 |
- 報酬等の総額が1億円以上の者は、有価証券報告書において個別開示を行っています。
取締役会全体の実効性についての分析・評価とその結果
当社取締役会は、適切な業務執行の決定および監督機能の向上の観点から取締役会の実効性を分析・評価しています。2023年度における結果の概要は以下のとおりです。
1. 分析・評価のプロセス
第三者機関であるボードルーム・レビュー・ジャパン株式会社に分析・評価の支援を委託しました。取締役および監査役に対する質問票は、取締役会資料、議事録および第三者機関による取締役会長(取締役会議長)と取締役社長(執行の最高責任者)との事前議論を踏まえ作成されました。また、3年ぶりに第三者機関による回答者全員との個別インタビューを行うとともに、同インタビューでは新たに社内取締役、社外取締役および監査役のカテゴリーごとの相互評価も行いました。
2024年2月の定時取締役会において、第三者機関の報告内容および2016年度に確認した「取締役会のあるべき姿(意思決定機能を重視した取締役会を志向していく)」に基づき、取締役会の実効性について審議し、その評価と今後の対応を確認しました。
2. 分析・評価結果の概要
1)質問票への回答およびインタビューの結果
取締役会の役割や構成などの重要な項目について高い評価となりました。具体的には以下のとおりです。
- 取締役会の重要な役割・機能について「意思決定を重視し、意思決定を通じた監督を行う取締役会」を目指すことが共有され、議長、社外取締役、社内取締役、監査役の役割・機能についても共通認識が醸成されている。なお、将来に向けて変化する必要があるとの考え方も示されている。
- 経営会議等での議論を経て取締役会に上程される意思決定プロセスは適切であり、活発で本質的な議論が行われている。
- 取締役会の規模・構成は活発な議論と意思決定の観点および知見・経験の観点から適切である。今後は、さらにジェンダーや専門性の観点での多様性の確保が必要であるとの意見がある。
- 昨年継続的に取り組む事項とされた点(人材確保等)は、適切な取り組みがなされている。
- 取締役会では、オープンで活発な議論を通じて、重要な経営課題やサステナビリティに関する審議の拡充が図られている。議案に対する執行状況や結果のフォローアップも的確になされている。
一方で、中長期的な競争優位性などについては将来に向け一層の議論が必要との意見がある。 - ガバナンス委員会の構成は適正であり、役割は明確に定義されている。
- 社外取締役への支援体制は適切であり、監査役との協働体制・コミュニケーションも十分である。
2)質問票への回答およびインタビューの結果から見える課題(第三者機関からの改善提案)
- 意思決定を通じた監督機能の強化のために、中長期的な方向性・戦略について、サステナビリティの観点も含めてさらに議論する。
- 取締役会の運営について一層の改善(計画的な討議テーマの設定など)を進める。
3)上記課題への対応(取締役会における審議)
- 中長期的な方向性・戦略のうち、重要なテーマについては、計画的に討議テーマとして取り扱う。いわゆるオフサイトミーティングによることも検討する。
- 議論の質を向上させるために取締役会資料をより一層充実させる。
3. 今後の対応
当社取締役会は、上記事項に継続的に取り組み、取締役会の実効性をさらに高めていくことを確認しました。
監査役監査および監査役会の実効性についての分析・評価とその結果
当社では、監査役は、経営の健全性の確保および当社グループの企業価値の向上を図るため、監査役会が定めた監査の方針、監査計画等に従い、取締役および執行役員の職務の執行等を監査しております。この監査役監査および監査役会活動の実効性を確認・向上させることを目的として、監査役会は、その実効性の分析と評価を行っています。
この分析と評価を通じて、監査役会では、前年度の監査役監査および監査役会活動を振り返り、改善すべき課題と対応策を検討し、次年度監査計画や日々の監査活動に反映しています。
1. 分析・評価プロセス
外部専門家(アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業)に対し、独立・客観的な立場からの分析・評価を委託し、その結果を踏まえて監査役会において自己評価、協議を行いました。
具体的には、外部専門家が2023年度における当社の監査役監査活動および監査役会に係る関連資料を確認したうえで、以下のプロセスを経ました。
- 全監査役に対するアンケートの実施
- 全監査役に対する個別インタビューの実施
- 監査役会事務局に対するインタビューの実施
- 外部専門家の評価結果および指摘事項を踏まえた監査役会での議論の実施
2. 分析・評価結果の概要(総評)
外部専門家からは、当社の監査役会について、「充実した監査活動が行われているものと評価できる」との報告を得ました。
監査役会は、外部専門家の評価および以下の事項を確認し、監査役会は有効に機能しており、監査役監査は実効性を有していると評価しました。
- 2023年度も、監査計画に基づき、各監査役が、取締役会をはじめとする重要会議や各種委員会への出席、代表取締役をはじめとする執行側へのヒアリング、各拠点・関係会社の往査活動を中心に監査を行い、取締役や執行役員の業務執行状況や内部統制システムの整備・運用が適切に実施されているかを確認し、必要な意見表明、指摘を行っている。
- 当社の社外監査役は、可能な限り多くの重要会議に出席し、常勤の監査役とともに往査に赴いており、他社の社外監査役に比べても相応の負担をもって監査活動に従事している。
- 監査活動にあたっては、重要会議へ出席し、発言するだけでなく、監査役の独任性の観点から社外監査役を含む各監査役がそれぞれ各拠点・関係会社を自らの目で見て、現地の責任者等と直接コミュニケーションをとることを重視している。日頃の監査活動で得た気づきは、各監査役が、各種会議において、また、調書に記載して送付するなどの方法で、経営層や部門長、各往査先に伝え、それが今後の経営に活かされることで監査役としての一定の役割を果たしている。
3. 課題および課題に対する今後の主な取組事項
外部専門家からは、上記2.の総評を前提としつつ、当社の監査役会による監査活動の一層の充実を図る観点から、課題の指摘がありました。
それを踏まえて協議した事項は多岐にわたりますが、監査役会として今後取り組んでいくことを確認した主な課題およびそれに対する取組事項は以下のとおりです。その他の諸課題についても引き続き検討していきます。
- 監査役間の情報共有・連携に関する事項
現状の定例監査役会は定時取締役会の前に開催していることから、定例監査役会での議論の時間は限られており、定例監査役会の開催時間外で、監査役間での情報共有および意見交換が適宜行われていることがあった。今後は、各監査役が探索した課題や疑問点についてより深く議論を行うことを通じてさらに有意義な監査活動を行うため、監査役全員で議論する場を新たに設け、議論の内容を記録に残すことを検討する。 - 関係会社監査役との情報共有に関する事項
一般論として子会社の不祥事リスクが高まっていることから、関係会社の監査役とのコミュニケーションが重要である。現状、常勤の監査役が定期的に開催されている関係会社の監査役の会合等に出席することによりコミュニケーションを図っている。そこで得た必要な情報は社外監査役にもさらに共有していくことを検討する。 - 監査活動の後のフォローアップに関する事項
監査結果や監査役会での議論の結果に関して、往査調書や取締役会等で監査役会から執行側へフィードバックした意見または指摘事項については、その後の改善状況をフォローアップすることも重要である。そこで、監査役から執行側に対して指摘した事項のうち、特に重要性の高いものについては、執行側のその後の取組状況等を具体的に確認、記録することを検討する。
監査役および監査役会は、今後とも監査活動の実効性の向上を図り、当社グループの経営基盤の強化および企業価値の向上に貢献すべく努めてまいります。
業務執行体制
経営会議
経営会議は、社長および専務執行役員その他関係執行役員等を構成メンバーとしており、取締役会長、社外取締役および監査役も出席することができます。
経営会議は、取締役会決議事項および社長決裁に該当する重要事項のうち慎重な審議が必要な事項について、広い観点から審議を行い、取締役会への上程の可否を決定するとともに、社長による決裁を支援する機能を果たしています。
投資や出資の際には、差別、強制労働、児童労働といった人権問題や、政治制度、経済、治安、地域特有の疾病、労務問題、宗教上の制限、地元社会への影響等のリスクに関して、プロジェクトリスクチェック表を用いて経営会議をはじめとする各種会議体で審議を実施しています。
サステナビリティ委員会および内部統制委員会
当社は、社会および環境に関する活動をサステナビリティ推進活動として体系化し、当社グループに展開しています。本活動を推進するために、サステナビリティ委員会(委員長:社長)を設置しています。サステナビリティ委員会の下にサステナビリティ7部会、マネジメントシステム4分科会、企業価値向上戦略会議、DX推進委員会およびカーボンニュートラル推進委員会を設置しています。
政策保有株式
当社は、事業戦略を進めるうえで、中長期的に事業基盤の強化につながると判断される場合、株式を政策的に保有することがあります。現状保有している政策保有株式については、毎年取締役会において、その保有目的や保有に伴う便益が資本コストに見合うものであるか等について検証を行っています。検証の結果、資本コストに見合わなくなった銘柄や、最近の事業の変化等によって事業関連性が希薄になってきたと判断される銘柄等、保有意義に乏しいと判断された銘柄については縮減を前提とした具体的検討を進めることとしています。
また、当社の株式を政策保有株式として保有している会社から当社株式の売却等の意向が示された場合に、取引の縮減を示唆することなどにより、当該売却等を妨げることはありません。
政策保有株式の議決権行使については、発行会社の業績等の経営状況を踏まえたうえで、各議案が発行会社の中長期的な企業価値・株主利益の向上につながるか、当社の企業価値・株主利益にどのような影響を与えるか等を総合的に勘案し、各議案への賛否を判断します。当社は、各議案への賛否を判断するため、必要に応じて各議案の内容等について発行会社と対話を行います。また、発行会社に重大な不祥事があった場合や一定期間連続で赤字である場合などには慎重な判断を行います。
削減銘柄数推移(非上場株式以外の株式)
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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全部銘柄 | 4 | 3 | 2 | 5 | 7 |
部分銘柄 | 1 | 1 | 3 | 3 | 4 |
PT Vale Indonesia Tbkとの関係
当社は、インドネシア共和国のPT Vale Indonesia Tbk(PTVI)の株式の15%を保有し、同社の共同運営を行う株主間契約を、カナダのVale Canada Ltdおよびインドネシア国営企業であるPT Mineral Industri Indonesia(Persero)と締結しています。またこの3社にPTVIを加えた4社による生産物を購入する権利・義務に関する契約を締結しています。これにより、当社は、PTVIのソロワコ鉱山の合意した年間生産量についてその20%を購入する権利・義務を保有しています。
同社が2025年以降も操業を継続するために必要な鉱業事業許可取得の条件の一つとして同社に対するインドネシア資本の出資比率を引き上げる必要があり、2020年度において、当社は同社株式を一部売却し、持分法適用会社から除外しました。
保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有状況
(みなし保有を含む「非上場株式以外の株式」)
- 2020年度については、PTVIが持分法適用会社から除外になったことにより、保有銘柄数は1銘柄増加しています。
- 2023年度については、Nano One Materials Corporationの株式を取得したことにより、保有銘柄数は1銘柄増加しています。