用語集

資源・金属

金属取引

LME

London Metal Exchange(ロンドン金属取引所)。
銅、ニッケル、アルミ、鉛、亜鉛など非鉄金属専門の取引所。LMEで決定された金属取引価格は、金属地金の販売価格や原料購入価格の国際的指標として使われる。

TC/RC

TC:Treatment Charge (溶錬費)
RC:Refining Charge (精錬費)
金属原料(銅精鉱、ニッケル鉱など)の購入条件の一部として使われる費用。
たとえば、銅精鉱の購入価格は「一定時点のLME価格 - その取引に用いられるTC/RC」(プラス諸条件)という条件が用いられる。

London Fixing

金はLMEに上場されておらず、価格は市場参加者の相対取引で決定されている。
このため毎日午前/午後の2回、ロンドン貴金属市場協会のメンバーである金融機関が発表するLondon Fixing価格が一日の基準となる価格として取引の指標となっている。

重量ポンド(lb)

ヤード・ポンド法の重量単位。
銅・ニッケルの計量基準や価格基準として使われるほか、TC/RCの算出基準として用いられる。
1ポンドは453.59グラム、1トンは2204.62ポンド。

トロイオンス(troy ounce)

金・銀など貴金属の重量単位で、1トロイオンスは約31.1グラム。
なお「トロイ」はフランス中部・シャンパーニュ地方の都市で、中世ヨーロッパの中心的な市場であった。ここで金・銀と商品を交換する単位として使われたトロイオンスという単位が現在も金の取引単位として使われている。

金属製錬

製錬

鉱石その他の原料から有用金属を抽出することをいい、主に乾式製錬・湿式製錬に分けられる。
当社では東予工場の上工程(溶錬工程)は乾式製錬、ニッケル工場は全面的に湿式製錬。
なお、日本語では「精錬」という漢字もあるが、こちらはすでに高い品位の金属をさらに高めるというときに使われることが多い。
「Smelting」を製錬、「Refining」を精製とすることもある。

乾式製錬

高温の炉で原料鉱を溶かし、溶けた状態で金属を分離する製錬方法。

湿式製錬

金属や不純物が薬液に溶け、化学反応を起こすことなどを利用した製錬方法。

金属原料

硫化鉱

銅・ニッケルなどの金属と硫黄が結合した鉱石のこと。
製錬する場合、硫黄が燃えることで溶解させることができるため、乾式製錬を行うことが多い。

酸化鉱

金属が酸化した鉱石のこと。
硫化鉱と違って熱して溶解する場合はエネルギーコストがかかるため、乾式製錬には不向きとされ湿式製錬の原料とすることが多い。

銅精鉱

銅製錬に用いられる原料で、銅が30%程度含まれており、残りはほとんどが硫黄と鉄。主に硫化鉱から生産される。
現在、海外鉱山で採掘される「鉱石(Ore)」の品位はおおよそ1%前後であり、鉱山で選鉱を行って品位を高めた「精鉱(Concentrate)」の状態にしている。
国内の銅製錬所が輸入している主な原料はこの銅精鉱となる。

ニッケル酸化鉱

ニッケル製錬には品位の比較的高い硫化鉱が主に利用されていたが、鉱石としては酸化鉱のほうが硫化鉱と比べて多く分布しており、現在の埋蔵量は硫化鉱3:酸化鉱7といわれている。
これまでは製錬する際のコストや技術の問題がありあまり利用されていなかったが、当社はHPAL技術により低品位の酸化鉱からのニッケル製錬に成功した。

MS

ニッケル・コバルト混合硫化物(Mixed Sulfide)の略。CBNCとTHPALで生産する、ニッケル品位約60%の中間原料。 当社電気ニッケルなどの原料となる。

マット

金属の硫化物のことを意味する。
当社ニッケル工場では、PTヴァーレインドネシア社からニッケルマット(品位75〜80%程度)を原料として購入して電気ニッケルなどを生産している。

自山鉱比率

自社の製錬原料のうち、出資鉱山に保有する権益により確保される原料の割合。
一般的に、鉱山では出資比率に応じて原料鉱を引き取る権益を有する。
ただし、セロ・ベルデ鉱山からの原料については、当社は2006年の稼働から当初10年間、出資比率(21%)より多くの買取権益(50%)を有している。

ニッケル生産プロセス

CBNC

当社子会社である、コーラルベイ・ニッケル・コーポレーション(フィリピン)の略。
HPAL法でニッケル・コバルト混合硫化物(MS)を製造し、当社ニッケル工場および播磨事業所に輸出している。

THPAL

当社子会社である、タガニートHPALニッケルコーポレーション(フィリピン)の略。
HPAL法でニッケル・コバルト混合硫化物(MS)を製造し、当社ニッケル工場および播磨事業所に輸出している。

HPAL

High Pressure Acid Leach(高圧硫酸浸出)の略。
これまで回収が難しいとされていた、酸化鉱からニッケルを回収する技術。当社が世界に先駆け商業ベースでの実用化を行った。酸化鉱を高温高圧状態の硫酸と安定的に反応させることにより、高品位のニッケル原料を生産している。

MCLE

Matte Chlorine Leaching Electrowinning (マット塩素浸出電解採取)の略。
当社ニッケル工場で採用されている製造プロセス。マットおよびMSを塩素に溶かし、電解法にて高純度ニッケルを生産する。他の製法と比べてコスト競争力があるが、操業技術は難しい。

金属の主な用途

銅の主な用途

電線、銅管などに加工される。
電力ケーブルのほか、民生分野では自動車や住宅関連の配線、エアコンなどに使われている。

電気ニッケルの主な用途

品位は99.99%以上。特殊鋼や電子材料、めっきなどに使われる。
日本国内で電気ニッケルを生産しているのは当社ニッケル工場のみ。

フェロニッケルの主な用途

フェロニッケルはニッケル品位20%程度のニッケル・鉄の合金。
ニッケル系ステンレス(ニッケル10%前後含む)が主用途。当社グループでは日向製錬所で生産している。

金の主な用途

世界的には投資・宝飾用の需要が多い。
産業用としてはやわらかく、伸びやすい特性をいかし、電子製品向けとしても多く使用されている。当社が生産した金も一部はグループ会社がボンディングワイヤーに加工し、販売している。

電池・機能性材料

2層めっき基板

原料となるポリイミドフィルムの上に、銅をめっきした基板材料。
COFの材料として用いられる。
当社は大型液晶ディスプレイ向けではトップシェアを有している。

二次電池

充電して再利用できる電池をいう。
当社の電池材料は、車載用としてハイブリッド自動車、民生用としてノートパソコンの電源となる、ニッケル水素電池やリチウムイオン二次電池の正極材として使用されている。

単位換算表

トロイオンス グラム キログラム
1 31.1 0.0311
0.0321 1 0.001
32.15 1000 1
ポンド グラム キログラム
1 454 0.454
0.0022 1 0.001
2.205 1000 1