事業紹介

「非鉄」を知る

Learn about non-ferrous metals

非鉄について

非鉄金属とは文字通り「鉄以外」のすべての金属のことを言います。例えば銅、ニッケルや金は電気・電子部品、機械部品、建設材料、自動車・・・など、現代社会を支えるさまざまな産業分野で利用されています。
急速に発展するデジタル化や、環境保全のための脱炭素化社会実現に向けた技術革新やエネルギー転換の必要性など、社会課題や時代のニーズの高まりを背景に、非鉄金属の活躍の場がさらに拡大していくことが見込まれています。

埋蔵量・産出量ともに多く、製錬が比較的簡単な鉄、アルミ、銅などの金属はベースメタルと呼ばれます。ベースメタルは社会のインフラ構築に欠かせない、大きな需要のある金属です。
レアメタルは【「地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属」のうち、工業需要が現に存在する(今後見込まれる)ため、安定供給の確保が政策的に重要であるもの】と経済産業省が定義しており、チタンやコバルト、ニッケルなどの金属が該当します。レアメタルは先端技術を用いた製品に欠かせない素材として重視されています。このほか、貴金属として扱われる金や銀などがあります。

住友金属鉱山では、主にベースメタルの銅、レアメタルのニッケル・コバルト、貴金属の金・銀を製造しています。

事業紹介:金属製品

銅について

銅は金と並んで“人類が初めて手に入れた金属”とされており、メソポタミアやエジプトでは紀元前4000年ごろには銅器として使われたことが確認されています。そのころ銅の主産地だったキプロス島が、英語の「Copper」の語源になったといわれています。日本でも紀元前2世紀ごろ、弥生時代に中国から青銅(銅と鉛・錫の合金)がもたらされました。古墳や住居跡などから銅鏡、銅矛、銅鐸など多数の銅器が発掘されています。

もっとも身近なところにあるのは10円玉ですが、使用量としては電線が多くなっています。導電性が高いという特性により、送電線・車の電気系統・家庭内の電気配線など生活に欠かせない部分に使用されています。ほかに伸銅品として、熱伝導性を活かしてエアコンや温水機の配管などにも使われています。

ロンドン商品取引所(LME)で取引される価格が、国際価格としての基準となります。銅は一日のうちに計4回、それぞれ5分間取引される仕組みで、2回目の取引がその日の取引価格として全世界に発信されています。当社が海外の鉱山から原料である銅精鉱を購入する際も、LME価格を基準としています。

株主・投資家情報:市場動向

銅精鉱の最大の供給元はアメリカや南米のペルーやチリの自社が権益を保有する銅鉱山で、海路で約2ヶ月かけて東予工場に運ばれてきます。ほかにも当社ではオーストラリアなど環太平洋地域から幅広く輸入しています。到着した銅精鉱は、当社専用岸壁で陸揚げされます。
一方で、銅精鉱を処理するだけでなく、リサイクルも積極的に実施しています。東予工場では、使い終わった電線や自動車などから取り出された銅を回収・溶解し、再度電気銅として生まれ変わらせています。

国内拠点:東予工場

住友金属鉱山の出資するアメリカや南米のペルーやチリのなどの銅鉱山から、原料が銅精鉱となって日本に運ばれ、東予工場で銅以外の成分を除去して電気銅を生産しています。東予工場の技術力は世界トップクラスです。
製錬工程の詳細は拠点紹介:東予工場の「製錬工程」をご覧ください。

国内拠点:東予工場

ニッケルについて

人類はニッケルを紀元前から使用していたといわれていますが、「ニッケル」として認識していたわけではなく、鉄との合金として使われていました。ニッケルを一つの金属として抽出に成功し、その存在が認識されたのは18世紀半ばになってからです。
「ニッケル」という名前は「Kupfernickel」に由来します。ドイツ語で「悪魔の銅」を意味するのですが、これはある種のニッケル鉱石が銅鉱石にそっくりだったにもかかわらず、銅を取り出すことができなかったので坑夫たちがこのように呼んだためと言われています。

ニッケルは私たちの生活の中で広く使われている金属のひとつです。めっきに使用されるほか、さまざまな合金にして利用することが多く、もっとも身近なところで50円硬貨・100円硬貨はニッケルと銅の合金です。
ほかにニッケルと鉄の合金であるフェロニッケルが原料となるステンレス鋼は、ニッケルが使用される合金の代表的な例です。「耐蝕・耐熱・耐摩耗」に優れたステンレス鋼は、キッチンや食器などに使われています。
またニッケルは、ハイブリッド自動車や電気自動車などに使われるニッケル水素電池やリチウムイオン電池の材料としても使用されているほか、携帯電話やパソコンの部品として欠かすことのできないコンデンサー(蓄電器)の原料としても使われています。このように、ニッケルは私たちの日常生活の幅広い分野で使用されています。

ニッケル鉱石は主にロシア、カナダ、インドネシア、フィリピン、ニューカレドニアなどで産出されます。 新興国の経済成長に伴い、今後ニッケル需要はさらに伸びると見込まれています。しかしながら、まだ開発されていないニッケル資源の多くは低品位の酸化鉱で、資源として利用するのは技術的に非常に難しいとされてきました。
当社が世界で初めて商業生産に成功したHPAL技術は、その低品位の酸化鉱からニッケルを抽出する技術であるため、非常に注目されています。

先述のとおり、今後、中国をはじめとした新興国でニッケルおよびステンレス鋼の消費量が伸びると予想されています。また、二次電池が使用されるハイブリッド自動車・電気自動車の市場拡大など、エネルギー・環境分野での需要の伸びも期待されています。

HPAL:High Pressure Acid Leach(高圧硫酸浸出)

これまで回収が難しいとされていた、低品位の酸化鉱からニッケルを回収する技術です。当社は世界に先駆け、商業ベースでの実用化に成功しました。低品位ニッケル酸化鉱の資源化は、限りあるニッケル資源の有効利用とコスト競争力のあるニッケル原料の安定供給を可能にします。「コーラルベイ・ニッケル社」と「タガニートHPALニッケル社 」にて、低品位の酸化鉱を高温高圧状態の硫酸と安定的に反応させることにより、ニッケル中間原料を生産しています。

海外拠点:コーラルベイ 海外拠点:タガニート

MCLE:Matte Chlorine Leaching Electrowinning(マット塩素浸出電解採取)

当社「ニッケル工場」で採用されている製造プロセスで、ニッケルマットおよびニッケル・コバルト混合硫化物(MS)を塩素で溶解し、その塩化ニッケルの溶液から直接メタルを電解採取する方法です。他の製法と比較しコスト競争力が高い一方、操業技術が難しいです。

国内拠点:ニッケル工場

フィリピンの「コーラルベイ・ニッケル社」および「タガニートHPALニッケル社」において、低品位酸化鉱(ラテライト鉱)からHPAL技術を用いてニッケル品位約60%のニッケル・コバルト混合硫化物(MS)を生産します。このMSを原料とし、日本国内のニッケル工場と播磨事業所で電気ニッケル・電気コバルト・硫酸ニッケルなどを生産しています。製錬工程の詳細は拠点紹介:ニッケル工場の「製錬工程」をご覧ください。

国内拠点:ニッケル工場 国内拠点:播磨事業所

金について

人類は紀元前から金を宝飾品として使っており、古代エジプト・ローマの出土品から金の宝飾品が多く見つかっています。特に古代ローマ帝国は支配地域での金鉱山運営に熱心でした。日本でも、古墳などから金の装飾品が多数見つかっています。

有史以来、人類が掘り出した金の量は約20万トン、オリンピックプール約4杯分といわれています。現在は毎年3,000トンを超える金が新たに生産されています。また、金はリサイクルが比較的容易なことから、回収され再び精製される金の量も多くなっています。

当社の菱刈鉱山が最多で、すでに第2位の佐渡金山(新潟県)の3倍以上の金を産出しています。3位の鴻之舞鉱山(北海道)も1917年から1973年の閉山までの間、当社および前身となる住友グループにより操業していました。現在、菱刈鉱山以外の金鉱山は閉山・休山しています。

国内金鉱山産出金量ベスト3 [2026年3月末時点]

1位 菱刈 276トン(1985年~ )
2位 佐渡 83トン(1601年~1989年)
3位 鴻之舞 73トン(1915年~1973年)

国内拠点:菱刈鉱山

世界的には、鉱石1トン当たり1~5グラムもあれば十分採算が取れるとされています。しかし、当社の菱刈鉱山では約20グラムと非常に高い品位を誇っています。
とはいっても、例えば車1台の重さが約1トンですので、その中のスプーン数杯分が金、という計算になります。やはり極めて希少であることには変わりありません。

国内拠点:菱刈鉱山

宝飾品として、またマネーの代わりとしてのイメージが強い金ですが、日本では電子部品向けの使用も多くなっています。

「菱刈鉱山」で採掘された金鉱石は「東予工場」で製錬され、純度99.99%以上の純金に加工されます。
生産工程の詳細は拠点紹介:菱刈鉱山の「菱刈鉱山の鉱石から金ができるまで」をご覧ください。

国内拠点:菱刈鉱山

その他の金属について

グループ会社である(株)四阪製錬所にて、電気炉製鉄で発生する製鋼煙灰から亜鉛を回収するリサイクル事業を行っています。生産工程の詳細は拠点紹介:四阪製錬所の「製錬工程」をご覧ください。

国内グループ会社:四阪製錬所