サステナビリティ

2030年のありたい姿

「2030年のありたい姿」は、当社の長期ビジョン「世界の非鉄リーダー」を実現するためのマイルストーンとして設定しました。

長期ビジョンと2030年のありたい姿

当社グループは、経営理念や経営ビジョンを基盤とし、資源の確保、非鉄金属や電池・機能性材料など高品質な材料の提供を通じ、成長性と持続性を拡大させることで企業価値を高め、長期ビジョン「世界の非鉄リーダー」を目指しています。この長期ビジョンを実現するにあたり、マイルストーンとして「いつまでに何を実現したいのか」を具体的に示したものが「2030年のありたい姿」です。
「2030年のありたい姿」の策定においては、当社グループの「2020年のありたい姿」の評価や反省、社会の変化を踏まえ、2030年までに取り組むべき重要課題を整理しました。抽出した11の重要課題に対して「2030年のありたい姿」・「KPI」を検討し、2020年3月に策定・公表しました。

長期ビジョン 「世界の非鉄リーダー」
  • 資源権益やメタル生産量において、グローバルでの存在感(=世界Top5に入るメタル)がある
  • 資源メジャーでも容易に模倣できない、卓越した技術や独自のビジネスモデルを有している
  • 持続的成長を実現し、安定して一定規模の利益をあげている
  • 社会課題に積極的に取り組んでいる
  • 従業員がいきいきと働いている

重要課題とSDGs

また、「2030年のありたい姿」の策定にあたっては、当社グループの経営理念やビジョンと親和性が高いSDGsを強く意識しています。各重要課題とSDGsのターゲットを紐付けし評価した結果は下図の通りです。各課題に共通する当社グループのアプローチであり、経営ビジョンと直結することから、SDG12「つくる責任 つかう責任」を最重要ゴールと位置付けました。

11の重要課題

1.非鉄金属資源の有効活用
高い技術力で資源を生み出す企業
2.気候変動
温室効果ガス(GHG)排出量ゼロに向け、排出量削減とともに低炭素負荷製品の安定供給を含めた気候変動対策に積極的に取り組んでいる企業
3.重大環境事故
4.生物多様性
水資源や生物多様性を大切にして海や陸の豊かさを守っている企業
5.従業員の安全・衛生
快適な職場環境、安全化された設備と作業のもと、すべての従業員が、ともに安全を最優先して仕事をしている企業
6.多様な人材
7.人材の育成と活躍
すべての従業員が活き活きと働く企業
8.ステークホルダーとの対話
「世界の非鉄リーダー」であると理解され、共感される企業
9.地域社会との共存共栄
地域社会の一員として地域の発展に貢献し信頼を得る企業
10.先住民の権利
先住民の伝統と文化を理解し尊重する企業
11.サプライチェーンにおける人権
サプライチェーン全体でサステナビリティ調達(Sustainable Procurement)に取り組んでいる企業
策定プロセス

STEP1

「2030年のありたい姿」検討開始(2017年12月)

CSR委員会(現:サステナビリティ委員会)にて、次のターゲットを「2030年」とすることを決定。2018年2月には役員によるディスカッションを実施し、その議論をもとにCSR部会(現:サステナビリティ7部会)にて「2030年のありたい姿」の議論を開始しました。

STEP2

「2020年のありたい姿」振り返り(2018年度)

まもなく目標年を迎える「2020年のありたい姿」について重点分野ごとに設定された目標とKPIに対して、達成度評価を実施しました。

STEP3

「サステナビリティ課題」の抽出(2018年度)

国際金属・鉱業評議会(International Council Mining and Metals: ICMM)やGlobal Reporting Initiative(GRI)スタンダードなどの国際的なガイドライン※や、 経済協力開発機構(OECD)などが予想する2030年の状況などを整理し、89の「サステナビリティ課題」を抽出したうえで、各課題と関係の深いSDGsのターゲットとの紐付けを行いました。

STEP4

「サステナビリティ課題」重要性評価による重要課題の特定(2018年10月~2019年3月)

抽出された89の課題から重要課題を特定するにあたり、 CSR部会による社会的視点、事業本部による事業視点の2 軸にて評価を開始しました。評価の観点として、まず社会(経済・環境・人権等)に与えるプラスおよびマイナスの両方の側面でのインパクトの程度について検討しました。 例えば、鉱山・製錬事業を進めるうえでは自然や気候変動へマイナスのインパクトが発生してしまう一方、電池のリサイクルや低炭素負荷製品の開発では、プラスのインパクトを与えることもできる等があげられます。
インパクトの検討においては、過去に行った顧客・取引先・投資家などのステークホルダー・エンゲージメントでの課題や、当社グループ、所属団体、業界への要請などを参考としました。
そのうえで、検討したインパクトに対し、積極的に取り組まないことで増大するリスク、積極的に取り組むことで得られる機会について検討し、5段階で評価しました。
また、総合職若手社員(計21名)、別子地区工場リーダー社員(計20名)による「ありたい姿」検討会を実施し、そこであがった意見も評価の参考にしました。この結果、社会・事業の両視点で評価が5となった11の課題を抽出しました。さらに、社外のCSR有識者の方との意見交換をふまえ、2019年3月、CSR委員会※1にて最終的に11の重要課題を特定しました。

STEP5

「ありたい姿」「KPI」の検討(2019年4月~7月)

CSR部会にて、11の重要課題に対応する「ありたい姿」および具体的な「KPI」の検討を開始。
CSR部会の検討をもとにした全執行役員および監査役による役員合宿での議論を経て、CSR委員会※1にて最終的な検討を実施しました。

STEP6

「2030年のありたい姿」策定・公表(2019年12月~2020年3月)

CSR委員会にて、「重要課題」「2030年のありたい姿」「KPI」を審議し、取締役会において審議・決議したうえで3月の公表に至りました。

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「11の重要課題」に対する詳細な数値目標はこちらのページをご確認ください。