サステナビリティ

トップメッセージ

GRI 2-22

「変革」こそが「継続」の源泉
先人に思いを馳せつつ世界の潮流に応える

長期ビジョン「世界の非鉄リーダー」を目指す意義

当社グループが長期ビジョンに掲げる「世界の非鉄リーダー」とは、資源獲得競争が激化する中でも、海外非鉄メジャーとグローバルに協調しながら資源を獲得し、社会の発展や人々の暮らしを支えるために必要不可欠な銅やニッケルなどの非鉄金属や材料の安定供給に貢献することにより、当社グループの社会的責務を果たし続けていくという姿勢を社内外に示したものです。この姿勢は時代や環境が変化しても、変わることはありません。

これまでも当社グループは、住友の事業精神に基づく事業運営の下で、先人が掲げた数々の「変革」により事業を通じた社会課題の解決に積極的に貢献し、幾度もの大きな事業環境の変化を乗り切ってきました。

  • 非鉄金属の採掘・製錬・販売を世界規模で展開している大手企業群の総称

外部環境変化に対応した、重要課題の集約と「2030年のありたい姿」の見直し

当社グループは、2020年3月に長期ビジョンに掲げる「世界の非鉄リーダー」の実現に向けた重要課題(マテリアリティ)を明確にし、課題ごとに「2030年のありたい姿」を設定しました。その後の事業環境は、人工知能(AI)などデジタル技術に代表される加速度的な技術の進歩に加え、地球温暖化や地政学リスクがさらに高まるなど目まぐるしく変化しています。また、サーキュラーエコノミー、カーボンニュートラル、ネイチャーポジティブ、人的資本経営など企業のサステナビリティ経営に対する社会的要請の範囲は拡大し、その難易度も高くなっています。

こうした外部環境の大きな変化を踏まえ、5年ぶりに「2030年のありたい姿」を見直し、重要課題を従来の11項目から6項目へと集約し、PDCAを確実に回していくために進捗状況が測定可能なKPIを再設定して、2025年3月に公表しました。

当社グループは、最大の強みである「ものづくり力」を活かして新たに掲げた6項目の重要課題に取り組むことで、持続可能な社会に貢献することを目指します。また、その取り組みが当社グループの企業価値向上につながると考えています。

「ものづくり力」を活かし、社会への責任を果たしていく

住友の事業精神に「自利利他公私一如」という言葉があります。これは「住友の事業は、住友自身を利すると共に、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない」との精神を示しており、今日の社会で求められる「サステナビリティ経営」に通じるものです。また、こうした真摯な事業姿勢は、当社グループが長期ビジョンに掲げる「世界の非鉄リーダー」を実現する上でも必要不可欠です。

足元の大きな外部環境の変化に対応し、事業を通じた社会課題の解決につなげていくためには、従業員一人ひとりが6項目の重要課題に対して当事者意識を持って、組織や事業、生産プロセス、製品、顧客対応のあり方、そして担当する仕事のやり方までを柔軟な発想で変えていかなければなりません。こうした「変革」を実践することによって初めて、非鉄金属や材料の安定供給という、当社としての社会的責務を果たすこととなり、住友の事業精神を実践することにもつながるのです。

今後も引き続き、この精神に基づきステークホルダーの皆様との協力・連携のもと、社会に対する責任を果たし続けてまいります。

代表取締役社長
松本 伸弘