カーボンニュートラル社会への貢献
低炭素貢献製品の供給
当社グループの製品のうち、GHG排出削減に貢献する製品を低炭素貢献製品と位置付け、当社グループは、これらの開発や事業拡大による社会全体のGHG排出削減への貢献を最重要視しています。
現在、2030年までの低炭素貢献製品のGHG削減貢献量を60万t 以上とすることを目標としており、2023年度のGHG削減貢献量は56.7万tとなりました。
引き続き、LFP(リン酸鉄リチウム)正極材の新規プロセスや水素製造関連材料の技術開発と既存の低炭素貢献製品の事業拡大に、積極的に取り組みます。
非鉄金属資源の安定供給
社会全体のカーボンニュートラル実現に向けた大きな潮流である再生可能エネルギーと、EVをはじめとする自動車の電化で使用される主な鉱物資源を次頁の表で示しています。これらの多くの素材の提供を当社は担っています。
自動車1台当たりの具体的な金属使用量については、電化が進むほど金属使用量が増加し、銅では、重量換算でガソリン車の3.6倍が必要となります。こうした素材の需要拡大に応えることが当社グループの果たすべき役割であると考えます。
システム・要素技術 | 必要となる主な鉱物資源 | ||
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再生可能 エネルギー部門 |
発電・ 蓄電池 |
風力発電 | 銅、アルミ、レアアース |
太陽光発電 | インジウム、ガリウム、セレン、銅 | ||
地熱発電 | チタン | ||
大容量蓄電池 | バナジウム、リチウム、コバルト、マンガン、銅 | ||
自動車部門 | 蓄電池・ モーター等 |
リチウムイオン電池 | リチウム、コバルト、ニッケル、マンガン、銅 |
全固体電池 | リチウム、ニッケル、マンガン、銅 | ||
高性能磁石 | レアアース | ||
燃料電池(電極、触媒) | プラチナ、ニッケル、レアアース(スカンジウム) | ||
水素タンク | チタン、ニオブ、亜鉛、マグネシウム、バナジウム |
- 青字は当社グループで生産する素材です
■ 自動車1台当たりの使用金属(Kg/台)
- 出典:資源エネルギー庁「2050年カーボンニュートラル社会実現に向けた鉱物資源政策」
マスバランス方式を利用したグリーンメタル構想
当社グループの電気銅について、マスバランス方式※を用いた低GHG排出電気銅(グリーンカッパー)の提供に向け、第三者機関によるカーボンフットプリント(CFP)算定や加工流通過程(CoC)の妥当性について保証を受け、認証取得を予定しています。2024年度は、他のメタルの第三者機関によるCFP算定について保証取得を検討する予定です。
特性の異なる原料が混合される場合に、ある特性を持つ原料の投入比率に応じて生産する製品の一部にその特性を割り当てる手法
■ マスバランス方式の模式図※
下記出典を参照して模式図作成
出典: Ellen MacArthur Foundation “Enabling a Circular Economy For Chemicals With the Mass Balance Approach”,