地域コミュニティ活性化支援
地域の社会活動基盤の強化
当社グループは、事業立地地域での社会活動基盤の強化に資する取組み(地域経済の活性化、伝統の継承、次世代育成、生物多様性・水・森林保全等の当社事業と関連して付加価値を生む取組みなど)を資金や人材の提供により支援し、当社の経営理念の1つである地域社会との共存共栄の実現を目指します。
当社グループは事業を展開する地域に対し、地域コミュニティのリーダーシップ開発および資金や人材の提供を通じた研修プログラムの提供により地域社会のさらなる発展を支援しています。2024年度は12件実施しました。
青梅事業所が地域の社会福祉協議会、地元企業および多摩大学総合研究所と協働し、地域との対話に基づき社会課題の認識をすり合わせ各組織が連携して解決に向けて行動する「OHSC(青梅羽村企業連携社会貢献プロジェクト)」を立ち上げました。プロジェクトにおいては、多摩大学教員がコーディネートしながら地域の社会福祉協議会担当者、行政担当者や地元企業と勉強会を開催(計6回延べ約60名が参加)し、地域への価値創造につながる取り組みの可能性について、官民間での相互理解を深めました。結果として、まずは地域の障害者就労作業所で製造するパンやお菓子などの企業共同購入から、通所者の働きがいや労賃の向上に資する取り組みを始めることにつながりました。今後は、地域におけるさらなる価値創造を推進するネットワークの拡大などを支援していきます。また、当社は多摩地区の高校における探求学習支援活動にも取り組みを始めました。2024年11月、都立秋留台高校における1年生対象の企業研究授業に登壇し、2025年2月には同校における発表会に参加しました。さらに、多摩地区教員の連携支援のため、2025年2月、多摩大学が主催した「多摩地区探求学習研究会」に協賛参加しました(52名参加)。
■ リーダーシップ開発および研修プログラム事例
| プログラム | 概要 | 受益者 (ステークホルダー) |
拠出額 (各現地通貨) |
参加者/ 対象者数 (名) |
|---|---|---|---|---|
| 青梅羽村企業連携社会貢献プロジェクト(OHSC) | 青梅市・羽村市の社会福祉協議会、行政、地元企業と地域への価値創造についての勉強会を開催 | 地域の障害就労作業所の通所者 | — | — |
| 公立学校施設・児童発達施設の建設と改善 (フィリピン) |
公立学校施設・児童発達施設の建設や施設の改善 | バランガイの公立学校の生徒、教師 児童発達施設の利用者と労働者 |
9,598,431 (PHP) |
— |
| パラティーチャーへの支援 (フィリピン) |
公立学校およびパートナーコミュニティの学習センターにおける教師不足の改善のためにパラティーチャーへの学習支援とインセンティブの提供 | パラティーチャー・児童発達施設の利用者 | 4,007,394 (PHP) |
107 |
| タガニート・バランガイ開発評議会の能力開発 (フィリピン) |
タガニート・バランガイ開発評議会のメンバーへ能力開発プログラムを提供 | バランガイ・タガニート・コミュニティ | 1,000,000 (PHP) |
25 |
| 先住民族技能研修プログラム (フィリピン) |
先住民族が組織した団体にビジネスマネージメントトレーニングを提供 | バランガイウルビストンドの先住民族コミュニティ | — | 24 |
地域の次世代育成の支援
当社グループは、事業立地地域において次世代育成プログラムを展開し、当社の経営理念の一つである地域社会との共存共栄の実現を目指します。2024年度は35件実施しました。
次世代育成への支援策の一つとして、当社の事業立地地域の持続的発展に貢献する意思があり、かつ経済的援助が必要な学生の支援のために、当社の寄付をもとに、公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)内に「JEES・住友金属鉱山地域貢献奨学金」を2023年度に設立しました。
奨学金制度の内容は月額10万円を卒業まで返済不要で支給するとともに、地域支援を学ぶプログラムを提供するものです。2024年度は39名(男性21名、女性18名)の奨学生に支給しています。
当社はこれまでに、奨学生支援プログラムとして、2023年12月に採用された奨学金制度の第一期生に対し、2024年3月に第1ステップ「発見する」を別子銅山がある愛媛県新居浜市にて開催しました。これは、地域の歴史・背景や特性を体感し、地域で活躍する人達に共感することを通じて地域貢献に必要な視点の獲得を目指す対面方式の研修です。第一期生は、続けて2024年6月と10月の2回に分けて「発見する」で獲得した地域貢献に必要な視点から自身の地域貢献の軸(パーパス)を設定する第2ステップ「深掘る」プログラムを経て、2024年11月から2025年7月にかけて実際に地域貢献を実践する最終ステップ「かかわる」プログラムに取り組みました。これらの活動を経て、2025年8月、当社本社で「奨学金第一期生成果報告会」を開催しました(第一期生18名中9名参加)。奨学生は、それぞれの活動や各プログラムで学んだこと、今後の取り組みの展望などを発表し、奨学生支援プログラムを終了しました。当社はこれからも本奨学金制度を継続して地域貢献に取り組む学生を支援していく予定です。
■ 次世代育成プログラムの事例
| プログラム | 概要 | 受益者 (ステークホルダー) |
拠出額 (各現地通貨) |
参加者/ 対象者数 (名) |
|---|---|---|---|---|
| JEES・住友金属鉱山地域貢献奨学金 | 当社国内事業所立地4地域に貢献する志を持つ、経済困窮な大学生・高専生に卒業まで奨学金を支給している。奨学生が地域貢献活動を支援するプログラムも提供。 | 当社国内事業所立地4地域に貢献する志を持つ、経済困窮な大学生・高専生 | 115,400,000(円) | 39 |
| 探求学習支援(東京都) | 企業PR資料作成を題材に一年生の探求学習を支援 | 都立秋留台高校の一年生 | — | 230 |
| 出前授業(愛媛県) | 地域とともに発展してきた住友の歴史を紹介 | 新居浜市内 全小学校4年生 |
— | 903 |
| 奨学金制度 (フィリピン) |
金銭的な援助が必要な大学生・高校生・小学生に奨学金を支給 | バタラサの大学生・高校生・小学生 | 43,961,200(PHP) | 1,459 (うち先住民族は68%) |
| 学用品・教材の提供 (フィリピン) |
小学校・児童発達センターへの学習用品・教材の提供 | バランガイの小学校の生徒・児童発達センターの利用者 | 1,932,274(PHP) | 764 |
| 奨学金制度 | 先住民族の学生に奨学金を提供。また、警官や教師を目指す学生や化学や機械工学等を専攻する学生に奨学金を提供。 | 近隣コミュニティの学生、クラベル市内の学生、他の自治体の学生 | 13,515,000(PHP) | 1,389 (うち先住民族は1.2%) |
| Sumitomo Metal Mining Oceania supported Scholarships(オーストラリア) | 30歳未満の大学生を対象に奨学金を支給。受給者にはノースパークス鉱山での職業体験機会を提供 | NSW州中央西部の30歳未満の大学生 | 9,000(AUD) | 3 |
| アタカマ大学奨学金(チリ) | アタカマ大学の理系女子学生を対象とした奨学金制度 | アタカマ大学理系女子学生 | 4,000,000(CLP) | 8 |
| Social Responsibility Committee in Thang Long Industiral Park Ⅱ (ベトナム) |
事業立地地域の小学生・中学生に奨学金を支給 | 事業立地地域の小学生・中学生 | 6,000,000(VND) | 9 |