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テーリングダムのリハビリテーション

テーリングダムのリハビリテーション(緑化後)

当社グループが取り組む事業は、周辺地域へ及ぼす影響が非常に大きく、地域社会から信頼を得ることが事業継続の大前提となっています。愛媛県にある旧別子銅山では明治期から植林を行なうなど、住友の先人たちから脈々と受け継がれてきた、事業を通じて「地球および社会と共存する」という精神は今も尊重され、世界の国々で実践されています。

フィリピン・パラワン島でニッケル・コバルト製品の中間原料となるMS(Mixed Sulfide)を生産するCBNC(コーラルベイニッケル社)では、テーリングダムのリハビリテーションに取り組んでいます。

このテーリングダムとは、鉱山の選鉱(鉱石を分別する工程)や金属製錬で発生した不用な鉱物を無害化処理した後に一旦貯留させ水分と固形分に分離し、その固形分を堆積させる施設のことです。現在、CBNCでは、一つ目のテーリングダムが満杯となり、二つ目の施設が稼働中です。この役目を終えたテーリングダムに、植物を植えて緑に戻す活動がリハビリテーションです。

テーリングダムのリハビリテーション(緑化前)

リハビリテーションの目標は、自律した持続可能な生態系を確立することにあります。そのために土壌の改良などさまざまな工夫を行ない、2010年には赤茶色の土壌が剥き出しだった土地が現在では広大な緑地に再生されています。また、単に緑化するだけでなく、農業などの生産活動の場としても活用できるように、野菜やフルーツなどの栽培も行なっています。これらの作業には多くの地域住民が携わっており、リハビリテーションは操業地域の雇用の創出においても重要な役割を果たしています。

2016年鉱物産業環境大統領賞 授賞式
2016年地域社会貢献活動優秀賞 授賞式
地域住民による苗育成作業の様子