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電池リサイクルの推進

急速かつ長期的な進展が見込まれている自動車の電動化に伴い、搭載されるリチウムイオン二次電池(以下、LIB)の正極材に用いられるニッケル、コバルト、リチウムの需要は拡大し、リサイクルを活用した資源循環が求められています。
当社は、使用済みのLIBに含有される銅およびニッケルについて、東予工場の銅製錬工程とニッケル工場のニッケル製錬工程を組み合わせたプロセスにより回収および再資源化を行っています。特に、回収されたニッケルは磯浦工場で二次電池の正極材料に加工され、日本で初めて使用済みLIBからの“Battery to Battery”の再資源化を実現しています。
当社では技術開発を進めた結果、使用済みLIBからニッケルおよびコバルトを回収し、高純度化してLIB用正極材の原料として再利用できることを実証し、加えて世界で初めてとなる独自のリチウム回収技術により、使用済みの二次電池から銅・ニッケル・コバルト・リチウムを再資源化する能力を備えた新リサイクルプロセスを確立することに成功しました。さらに、関東電化工業株式会社との共同開発により、使用済みLIBから、リチウムを高純度の化合物として再資源化し、電池材料へと水平リサイクルする技術を世界で初めて確立しました。
現在は電池リサイクルの事業化に向けた検討を進めており、21中計期間中の実機プラント(プレ商業プラント)稼働開始、24中計期間中の1万トン/年処理体制確立を目指しています。
今後も当社は“Battery to Battery”のリサイクル実現に取り組み、持続可能な循環型社会の形成や、世界的な資源枯渇に対応する資源循環の推進強化に貢献していきます。

再資源化の流れ

図:再資源化の流れ