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リチウムイオン二次電池リサイクル

急速かつ長期的な進展が見込まれている自動車の電動化と電池の高容量化に伴い、電動車に搭載されるリチウムイオン二次電池(LIB)に用いられる銅、ニッケル、コバルト、リチウムの需要は拡大し、リサイクルによる資源循環が求められています。
当社は、LIBに含有される銅およびニッケルについて、東予工場の銅製錬工程とニッケル工場のニッケル製錬工程を組み合わせたプロセスによる再資源化を2017年から行っています。特に、回収されたニッケルは磯浦工場で二次電池の正極材に加工され、日本で初めて使用済みLIBからの“Battery to Battery”の水平リサイクルを実現しています。
これに加え、当社ではLIBリサイクルの研究開発を進め、資源枯渇が懸念されるコバルトについても回収・高純度化して正極材の原料として再利用できることを2021年に実証しました。さらに、リチウムについても、当社と関東電化工業(株)との共同開発により、乾式スラグから高純度リチウム化合物として再資源化する技術を2022年に確立し、銅、ニッケル、コバルト、リチウムを水平リサイクルする新プロセス開発に成功しました。
なお、本プロセスを通じて製造されたLIB用正極材を活用した電池については、ユーザーであるプライムアースEVエナジー(株)での電池性能評価において、天然資源由来中心の既存原料から製造したものと同等であることが製品レベルで実証されています。
現在は電池リサイクルの事業化に向けた検討を進めており、24中計期間(2025~2027年度)に1万トン/年の処理体制確立を目指しています。並行して、カーボンニュートラルの観点からCO2排出量削減のための技術開発にも取り組んでいます。この新プロセスで有価金属の再資源化が商業ベースで可能となれば、世界的な資源枯渇に対応する資源循環に一層の貢献が期待できます。
今後も当社は“Battery to Battery”の水平リサイクルに積極的に取り組み、持続可能な循環型社会の形成と世界的な資源枯渇に対応する資源循環の推進強化に貢献していきます。

再資源化の流れ

図:再資源化の流れ

パートナーシップ協定締結企業一覧

当社は、LIBリサイクルのサプライチェーン構築に向けて、以下の企業と使用済みLIB集荷体制に関するパートナーシップ協定を締結しています。

図:パートナーシップ協定締結企業一覧

(2024年4月1日時点、五十音順)
エムエム建材株式会社、オオノ開發株式会社、株式会社山陽レック、東邦亜鉛株式会社、DOWA エコシステム株式会社、豊通マテリアル株式会社、日本磁力選鉱株式会社、日本リサイクルセンター株式会社、松田産業株式会社