重要課題・ガバナンス

人権に関する方針

住友金属鉱山グループ人権方針

私たち住友金属鉱山グループ(以下、当社グループ)は、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」を支持し、これに基づき人権尊重の取り組みを推進します。

当社グループは、SMMグループ経営理念において「地球および社会との共存」、「人間尊重を基本とする」を掲げ、ものづくり企業としての社会的使命と責任を重視し、資源を確保して非鉄金属や高機能材料などを社会に提供することにより持続可能な社会の形成に貢献するべく、日々取り組んでいます。

また当社グループは、長期ビジョンにおいて「世界の非鉄リーダー」をめざすことを掲げており、さらに住友金属鉱山グループサステナビリティ方針において「社会の持続的発展に貢献する経営課題に取り組み、事業の持続的な成長と企業価値の向上を図る」ことを掲げています。

当社グループと密接な関りのある主要な社会課題の中から、「多様な人材」「人材の育成と活躍」「地域社会との共存共栄」「先住民の権利」「サプライチェーンにおける人権」など11の重要課題を定め、更にそれらの課題に対応する長期ビジョンのマイルストーンとして「住友金属鉱山グループ 2030年のありたい姿」とKPI(指標および目標)を定め、取り組みを進めています。

これからも当社グループの基本である「住友の事業精神」に基づき、社会から「世界の非鉄リーダー」と認められる企業をめざします。

1. 当社グループにおける人権尊重の考え方

当社グループは、当社グループのすべての事業活動が直接的または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを理解しています。
当社グループは、すべての人々の人権を侵害しないよう最大限に配慮し、当社グループの事業活動を通じて人権への負の影響を引き起こすこと、あるいは助長することを回避し、そのような事態が生じてしまった場合にはその是正および救済に向けて取り組みます。
また、ステークホルダー、特に取引先様などのビジネスパートナーが人権への負の影響に関与している場合、当社グループはステークホルダーに対し人権を侵害しないよう働きかけるとともに、是正や救済の取り組みに協力します。
実際の取り組みにおいては、「従業員」「地域住民・先住民」「サプライチェーン(その従業員を含む)」という3領域に特に重点をおいて推進していきます。

2. 基本的な人権課題に関するコミットメント

  1. 子どもの権利の尊重および児童労働の禁止
    18歳未満の子どもの基本的人権を尊重し、関連する事業活動および社会貢献活動に取り組みます。また、児童労働を認めず、特に紛争の際の強制的徴集による奴隷労働や、子どもの健康・安全を害する労働など、最悪の形態の児童労働を認めません。
  2. 強制労働の禁止
    強制労働、債務労働(借金返済のために使用者の下で働かざるを得ない状況での労働)や人身取引などの形態の現代奴隷を認めません。
  3. 差別の禁止
    雇用や就業などの場面において、人種、宗教、性別、年齢、性的指向、障がいの有無、国籍などによる差別、ハラスメントやいじめを認めません。
  4. 労働基本権の尊重
    労働基本権(結社の自由、労働者の団体交渉権など)を尊重し、労使間で建設的な対話を行います。
  5. 労働時間と賃金
    過度な労働時間の削減など、法に従い労働時間、休日、休暇の適切な管理に努め、また法に定められた最低賃金以上の賃金を支払います。
  6. 労働安全衛生
    安全かつ健康的な作業環境の確保に積極的に取り組み、生命身体に対する安全や健康を最優先します。

3. 適用範囲

本方針は、住友金属鉱山グループ(住友金属鉱山株式会社およびその子会社)のすべての役員・従業員に適用されます。
また、当社グループの事業、製品またはサービスに直接関わるステークホルダー、特にビジネスパートナーの皆様にも、本方針を理解し支持していただくことを期待し働きかけます。

4. 人権に関する国際規範の尊重

当社グループは、ステークホルダーの皆様と連携し、以下の国際的な規範や基準に基づいて、人権尊重に取り組みます。
また、当社グループは、事業地域において適用される法規制を遵守します。
万が一、これらの法規制と人権に関する国際規範とが矛盾する場合は、法規制を遵守しつつ、国際規範を尊重する方法を追求します。

  • 国連ビジネスと人権に関する指導原則
  • 国際人権章典(「世界人権宣言」「市民的および政治的権利に関する国際規約」「経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約」)
  • 労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言
  • ILO多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言
  • 先住民族の権利に関する国際連合宣言(UNDRIP)
  • 持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)
  • 子どもの権利条約
  • 責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス
  • OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス
  • 国際金属・鉱業評議会(ICMM)マイニングプリンシプル
  • 安全と人権に関する自主的原則

5. ガバナンス・推進体制

本方針の遵守状況と当社グループの人権尊重の取り組みについて、社長を委員長とするサステナビリティ委員会の下部組織であるダイバーシティ部会および人権部会が、取締役会が監督するサステナビリティ委員会に定期的に報告し、当社グループの事業方針および手続への反映を行い、人権尊重の取り組みを推進します。

6. 人権デュー・ディリジェンス

当社グループは、責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンスなどに従い、以下のステップで人権デュー・ディリジェンスを実施します。その際、当社グループは、人権に関する専門知識を活用し、ステークホルダーとの有意義な協議を行うように努めます。

  1. 当社グループの事業活動が直接的または間接的に及ぼす可能性のある負の影響を特定し、評価します。
  2. 評価の結果判明した負の影響への対応のための予算を配分するなど、評価結果を会社のプロセスに組み込みます。
  3. 負の影響を停止、防止および軽減するよう取り組みます。
  4. 当社グループの取り組みについてその実施状況を調査し有効性を評価します。
  5. 実施状況や有効性について情報を開示します。

7. 苦情処理メカニズム

当社グループは、当社グループの従業員だけでなくサプライチェーン上の従業員や、地域住民・先住民などすべてのステークホルダーの皆様が利用でき、対話を通じた合意による解決をめざす苦情処理メカニズム(仕組み)を構築します。

8. ステークホルダーとの対話・協議

当社グループは、本方針の制改定および当社グループの人権尊重における取り組みにおいて、人権に関する専門家、労働組合、お客様やビジネスパートナーなどステークホルダーの皆様との対話・協議を行い、専門知識や幅広い考え方を踏まえて包括的な施策を推進します。
また、本方針の理解促進および人権尊重の取り組みについて当社グループのすべての役員・従業員に対する啓発・教育を実施します。

9. 報告・情報開示

当社グループは、本方針に基づく取り組みの進捗状況を定期的に開示します。


本方針は、人権に関する専門家の支援を受けつつ策定を行い、住友金属鉱山株式会社のサステナビリティ委員会にて協議され、取締役会において承認されました。

代表取締役社長 野崎 明
2022年6月1日改正
野崎 明