基本的な考え方
当社グループは、資源・製錬・材料の3事業連携によるビジネスモデルを確立・展開しており、これらの製品を継続的に改善することで、変化するお客様のニーズに応え、お客様に満足いただける品質の提供に努めています。
お客様に満足いただける品質を提供するために、社長が「全社品質方針」を決定し、方針に従い毎年「全社品質目標」を定めています。これに基づき、事業部門は「部門ごとの年間品質目標」を定めて展開し、グループ全体が同じ方針に沿って品質保証活動を行っています。
推進体制
最高責任者を社長とし、品質保証部所管執行役員を定めて品質保証を推進しています。事業部門単位で品質保証体制を構築・運用し、品質保証部が全社を統括して、当社グループ全体の横串機能を果たしています。
また、サステナビリティ委員会の下部組織である品質分科会では、各部門長および本社部室長が参画し、品質保証に関する重要施策の審議や、部門ごとの品質目標の達成状況およびクレーム削減を含む品質活動を共有して、品質マネジメントシステムの継続的改善を推進しています。
さらに年に1回事業部門・事業場の品質保証責任者および本社品質保証部員が集まり、品質会議を開催し、各事業場の品質管理状況の共有および全社に共通する品質課題について討議を行っています。
推進体制図
全社品質目標と実績
全社品質方針
『品質保証と管理の仕組みを継続的に改善し、お客様に満足いただける品質を提供する』
- 時代を先取りした品質を追究する
- 法とルールを守り、安全と環境に配慮した物づくりをめざす
2025年度の実績
クレーム件数は2014年度以降、減少傾向にあり、2025年度は過去最少となりました。材料事業におけるクレーム件数減少のための取り組みとして、デバイス材料事業では、工程内での検知力向上、出荷判定プロセスの強化、異常時対応ルールの明確化など流出防止策を徹底し、前年度から大幅に削減することができました。また、電池材料事業では、異物混入防止に向けた意識向上を目的として「異物体感ブース」を設置しています。銅粉末など微細異物は目視では認識しづらい一方、製品不具合に直結するおそれがあるため、顕微鏡観察や実物展示を通じて、異物の存在と影響を体感できる環境を整備しています。これにより、手洗いや工事時の養生など、「異物を持ち込ませない」、「銅微粉を飛散させない」という基本認識の浸透を図り、現場での確実な実行につなげています。
一方、ヒューマンエラー等に起因する不具合が発生していることから、リスク分析の高度化と再発防止策の実効性向上に取り組み、各部門・事業場における品質改善活動の定着を図っていきます。
品質クレームの推移(2014年度を100とした比率)※
- グループ会社の統廃合に伴い、譲渡した会社のデータは過年度に遡及して削除
2025年度全社品質目標
『QMSの改善を進め、顧客の信頼を得られる体質をつくる』
- 事業基盤を揺るがす品質クレームを発生させない 重大品質クレーム ゼロ
- 品質不祥事の発生 ゼロ
- 事業部門におけるクレーム目標の達成
品質改善の取り組み
品質保証機能の高度化に向けた取り組み
当社グループでは、品質保証体制の強化を図るため、「標準整備」「業務プロセス改善」「人材育成」を柱として、品質保証機能の高度化を推進しています。
品質マネジメントシステム(QMS)の強化に向け、「SMM品質標準」を基準とした改善活動を展開しています。本標準は、ISO 9001(QMSの国際規格)をベースとした当社独自に策定した品質標準であり、QMSの目指す姿を体系的に整理したものです。共通の品質基準を明確にすることで、各事業部門における品質保証活動の方向性を示し、QMSの有効性向上と継続的な改善を図っています。品質保証部は、SMM品質標準の整備・改訂を行うとともに、各事業部門へ展開しています。また、監査等を通じて運用状況を確認し、課題を抽出したうえで是正・予防の観点から改善を支援し、全社的な品質水準の底上げにつなげています。また、本標準に基づいて各事業場の内部監査の結果を評価し、フィードバックを行っています。これにより、内部監査の実効性を高め、QMSの継続的な強化を図っています。
業務プロセスの改善として、検査・試験データの転送における自動化を推進しています。手入力や転記を可能な限り削減し、転送の自動化を進めることで、ヒューマンエラーや不適切なデータ操作の防止を図ります。さらに、データの電子化とシステム連携を強化し、品質情報を一元管理することによりトレーサビリティを容易にしています。
品質教育の展開
人材育成では、統計的手法、統計ソフトRの活用、MSA(測定システム解析)、なぜなぜ分析、問題解決型QCストーリー、内部品質監査員教育などを実施しています。これらの教育は品質保証部が主体となって企画・実施しており、2025年度は485名が受講しました。2026年度は600名以上の受講を見込んでいます。これらの教育では、知識習得にとどまらず、実務での活用を前提としており、受講者が自ら課題を抽出し、分析から対策立案までを行う力の強化を重視しています。教育で学んだ手法の実務への適用を促し、品質課題への対応力向上につなげています。品質課題を論理的に捉え、データに基づく分析から有効な対策を導き出せる人材の育成を目指しています。
お客様から信頼される品質を実現するためには、従業員一人ひとりが品質目標を理解し、主体的に取り組むことが重要であると考えています。「標準整備」「業務プロセス改善」「人材育成」の取り組みを通じて、品質保証機能の高度化を図り、持続的な品質向上につなげていきます。
製品・サービスに関する情報開示
GRI 416-1
当社グループで扱っている製品は、そのほとんどが、お客様の製品を製造するための素材、あるいは材料として提供されています。当社グループの製品を安全面や環境面から適切に取り扱うための情報や、お客様に製品を提供するために必要な情報は、過去および最新の情報、当社グループが有する知見ならびに必要な調査に基づいて、契約時に授受される仕様書や、技術打ち合わせ、製品の検査成績表、安全データシート(SDS)※1などを通じてお客様にお伝えしています。お客様に提供される製品は、安全性・環境対応性なども考慮した入念な製品設計に基づき、十分な試験と製造時の検査を経てお届けします※2。これらに用いられる情報は、QMSの運用を通して、最新の技術・法規・顧客要求に基づいて見直され、常に適切なものとしています。
- Safety Data Sheet(SDS):化学製品の、化学物質・製品名・供給者・危険有害性・安全上の予防措置・緊急時対応などに関する情報を記載する文書
- 銅・ニッケル・亜鉛のライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment:LCA)については、金属別の協会を通じて調査しています
お客様とのコミュニケーション
事業部門・事業場が主体となり、お客様満足度調査を実施しています。その評価結果は営業部門および開発部門にフィードバックされます。顧客満足度を向上させるため、顧客満足度の測定・評価方法を改善し、お客様との的確かつ十分なコミュニケーションを図ることで課題を正確に把握し、実効性のある施策を講じています。また当社グループでは、品質の改善活動を通じて製品の歩留まり向上による省資源化、省エネにも貢献しています。
当社グループ製品でラベリングによる開示が求められている情報と当該製品・サービスの割合
GRI 417-1/417-2
製品・サービスの情報とラベリングについて、必要な情報は下表の通り開示しています。
| 開示が求められている情報 | 当該製品・サービスの割合 |
|---|---|
| 製品およびサービスの部品が外注であるかどうか | 法による規制、管理対象物質を含むものすべて 主要製品(素材・自主材料)は該当なし |
| 内容物に、特に環境または社会に影響を及ぼす恐れのある物質があるかどうか | 法による規制、管理対象物質を含むものすべて |
| 製品およびサービスの安全な利用について | 法による規制、管理対象物質を含むものすべて |
| 製品の処分に際して、環境または社会への影響があるかどうか | 法による規制、管理対象物質を含むものすべて |
仕様に関する情報提供方法
お客様が要求する製品仕様は納入仕様書に明記して、お客様への情報提供を行っています。
化学物質に関する情報提供方法
製品取り扱い上の安全衛生と化学物質規制への対応に関し、当社グループは製品に含まれる化学物質の情報をSDSなどによって提供しています。
その他の対応
当社グループでは各種潤滑剤の販売など一般消費者向けの事業も手掛けています。この領域の製品・サービスに関する情報提供は該当する法規に則って、ラベリングや正しい理解をいただくための広告、説明を行っています。
製品の品質問題発生時の対応
当社グループの製品、サービスにおいて、品質問題が発生した場合には、「品質保証規程」に則り、必要な対応を決定しています。事業部門・事業場にて直ちに事実確認を行い、原因解析と検証結果をお客様に報告し、是正処置および再発防止策を取り決めます。
万が一重大な品質問題が発生した場合には、事業部門から速やかに経営層および品質保証部長に報告され、必要な対応の進捗確認を行います。さらに、是正処置および再発防止策の有効性の確認を品質保証部長が行い、品質問題の早期解決を図ります。