リサイクル由来の原料調達・使用

当社グループでは、銅系、貴金属系のスクラップ類を市中から調達しているほか、鉄鋼電炉ダストから亜鉛の回収も行っており、また使用済みプリント基板などから有価金属や貴金属を回収しています。2023年度のリサイクル由来の原料投入量は約202千トンで、原料投入量に占める比率が1.68%(2022年度2.21%)となり、前年度より微減となりました。また、リサイクル原料からの電気銅の生産量は約76千トンで、生産量に占める比率が20.2%(2022年度20.9%)となり、前年度より微減となりました。

■ リサイクル由来の原料比率
図:リサイクル由来の原料比率

リサイクル由来の原料比率:使用総原料÷リサイクル原料×100

銅リサイクル原料としてのスラグの有効利用

電気銅を製造する東予工場では、その製錬過程から銅スラグを副産物として産出しています。その主な用途は、全体の8割が国内外のセメント向けです。銅スラグ中には約40%の鉄が含まれ、セメントの鉄源として広く有効利用されています。
ステンレスの原料となるフェロニッケルを製造する(株)日向製錬所で副産物として産出されるフェロニッケルスラグの主な用途は港湾・土木工事用です。

図:銅リサイクル原料としてのスラグの有効利用

製鋼煙灰からの亜鉛回収

関係会社((株)四阪製錬所)では、電気炉製鉄で発生する製鋼煙灰を主原料として、コークス等を用いて還元焙焼した後、揮発回収した亜鉛を含むダストを湿式精製・加熱乾燥により不純物を除去して、亜鉛(粗酸化亜鉛)を回収しています。

図:製鋼煙灰からの亜鉛回収

貴金属の回収

全国各地から集荷した廃家電、廃電子部品、およびそれらの製造工程で発生した金・銀・銅・パラジウムなどの有価金属を高濃度に含有する金銀さい(E-スクラップ)などを原料として、貴金属(金、銀、白金など)の回収・再生を行っています。
集荷された原料は、関係会社(大口電子(株))で貴金属を含む部分と含まない部分に分別のうえ、組成などに応じて乾式または湿式プロセスで濃縮を行い、東予工場に輸送します。東予工場ではこの濃縮原料を他の銅・貴金属原料と同時に製錬・精製し、高品位の貴金属に再生しています。

■ 貴金属の回収フロー
図:貴金属の回収