重要課題・ガバナンス

ビジネスと人権

基本的な考え方

GRI 2-25/3-3

資源産業は事業地域における大規模開発を伴うことが多いため、地域社会に及ぼす影響が大きくなります。また、特に鉱物資源開発においては、児童労働等の人権侵害を引き起こすリスクがあります。このような事業特性を踏まえ、当社グループは、ステークホルダーの中でも「地域住民・先住民」、「サプライチェーン上の従業員」および「当社グループの従業員」の人権を尊重する取り組みを重点的に進めています。
当社グループは国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を支持し、また経営理念において「人間尊重を基本とする」ことを掲げています。当社グループの「人権方針」に基づきデューディリジェンスの実施や苦情処理(救済)メカニズムの運用など人権尊重の取り組みを推進します。

■ ビジネスと人権に関する取り組みプロセス

国連の指導原則に基づきビジネスと人権に関する取り組みを下図のように整理しています。当社は人権方針に基づきデューディリジェンスや苦情処理メカニズムの運用に取り組み、その内容についてサステナビリティサイト等で開示をしています。

図:ビジネスと人権に関する取り組みプロセス

住友金属鉱山グループ人権方針

GRI 2-23/2-24

当社は2022年に当社グループの人権方針を改正しました。この方針では、子どもの権利の尊重および児童労働の禁止、人種や宗教、性別、年齢、性的指向、障害の有無、国籍等による差別、ハラスメントやいじめを認めないなど、基本的な人権課題に対するコミットメントを定めています。また、国際人権章典や国際労働機関(ILO)中核的労働基準(5分野10条約:結社の自由及び団体交渉権の効果的な承認、あらゆる形態の強制労働の廃止、児童労働の実効的な撤廃、雇用及び職業における差別の撤廃、安全で健康的な労働環境)などの国際規範に基づいて人権尊重に取り組みます。万が一、当社グループの事業地域において適用される法規制と人権に関する国際規範とが矛盾する場合は、法規制を遵守しつつ国際規範を尊重する方法を追求します。

人権デューディリジェンス

GRI 2-25/3-3

当社グループは、「責任ある企業行動のための経済協力開発機構(OECD)デューディリジェンス・ガイダンス」などに従い人権デューディリジェンス(DD)に取り組みます。

苦情処理メカニズム

GRI 2-25/2-26

当社グループは苦情処理(救済)メカニズムに関し、当社グループ従業員のための内部通報制度を整備しています。また社外ステークホルダーも利用できるメカニズムとして、第三者が運用するプラットフォームを活用しています。このプラットフォームは、2022年に設立された一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)が提供するもので、当社はJaCERに発足メンバー(正会員)として加盟しています。JaCERは、国連の指導原則に準拠した非司法的な苦情処理プラットフォームである「対話救済プラットフォーム」を提供し、かつ外部有識者からなるアドバイザリーボードや独立した専門人材からなる助言仲介委員会や調査委員会を設置したうえで、専門的な立場から会員企業の苦情処理の支援・推進を目指す組織です。
● JaCERに寄せられた当社グループに関する苦情:0件(2024年度)

JaCER

従業員の人権

考え方・方針

当社グループ内の鉱山や製錬所などにおける児童労働や労働安全衛生のような人権侵害に限らず、職場における差別やハラスメントのような事態を引き起こさないよう、人権方針に沿って取り組みを進めています。

人権に関する社内教育

GRI 2-24

当社は経営理念にある通り人間尊重を基本とし、その尊厳と価値を認め、明るく活力ある企業を目指しており、毎年12月を人権月間として定め、当社グループ全体で人権研修に取り組んでいます。
異なる属性や背景、経験などの違いを認め、互いに刺激し合い成長できるDE&Iを実現した職場づくりを目指すうえで無意識の思い込みや先入観、固定観念はDE&Iの阻害要因となり、ハラスメントの原因になり得ることから、2024年度は「何気ない発言が知らぬ間に他者を傷つけているかもしれない ~大切なのは「気づく」「学ぶ」「変わる」こと~(マイクロアグレッション)」をテーマに、研修を各職場で行いました。