人事戦略
GRI 3-3
当社グループは、6項目のマテリアリティの中でも「人的資本経営」は全ての基盤と位置付けています。当社グループの中核事業である鉱山開発や製錬などの事業は、人類の発展に不可欠な非鉄金属資源を安定的に供給してきました。これからもカーボンニュートラルの実現など、持続可能な社会に貢献し続けるためには、「人」を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことが鍵であると考えています。2030年に向けて、当社グループは「多様な人材が集い、成長し活躍できる企業」を目指しています。その実現のため、事業戦略に直結した人材育成と持続可能な人事・組織基盤の構築を推進しています。
事業環境の変化が加速する中、当社グループは「世界の非鉄リーダー」を目指す長期ビジョンの実現に向けて、人的資本経営のKPIを設定し、定量的に管理しています。各KPIは測定可能な数値目標とし、PDCAサイクルで継続的に改善を図っています。特に今回新たに導入した「エンゲージメントスコア」は、従業員と会社の相互理解や信頼関係を数値化したものであり、スコアの向上・維持に注力し、持続的な企業価値向上を目指していきます。
エンゲージメントサーベイ
「2030年のありたい姿」である「多様な人材が集い、成長し活躍できる企業」を実現するためには、多様な従業員が、当社グループに誇り・愛着を持ち、エンゲージメント高く働ける企業文化の醸成が必須であると捉えています。
昨年度まで従業員意識調査を実施してきましたが、2024年度からエンゲージメントサーベイを実施し、従業員のエンゲージメントレベルを定量的に測定するとともに、組織としての強みや課題を明確にしています。当社グループでは、エンゲージメントが高い状態を「会社・組織と従業員の間において、相互の理解ができており、会社・組織は従業員を大切にする、従業員は会社・組織の発展と活性化に力を注ぐという状態になっていること」と定義し、この実現に向けた取り組みを進めています。
2024年度サーベイによるエンゲージメントスコア(スコアは、サーベイ参加企業(約1万社)の平均を「50」とした偏差値)は、グループ(9社)が「47.7」(回答率:98.2%)、住友金属鉱山単体が「49.9」(回答率は:96.3%)でした。サーベイを通して、直属上司との関係性に強みがあるものの、外向き志向や自己成長実感などに課題があること、組織ごとのスコアのばらつきが大きいことが把握できました。安心安全な職場づくりがエンゲージメント向上につながると考え、グループ全体のスコアを持続的に向上させていくために、「全社的な課題に取り組み、スコアの絶対値を向上する取り組み」と「それぞれの組織でスコアの底上げを図る取り組み」を並行して進めています。
重要課題と「2030年のありたい姿」のKPIとして、2030年にグループのスコアを「55」に引き上げることを掲げています。サーベイ結果を通じて、従業員がどのような点に期待・満足し、何に不満を感じているのかを把握し、エンゲージメント向上の取り組みを進めることで、組織の様々なパフォーマンスを高めていきます。
自由闊達な組織風土
当社グループでは、「自由闊達な組織風土」づくりを進めています。
自由闊達な組織風土のもと、一人ひとりがその違いにかかわらず、他者の持つバックグラウンドに対して尊敬の念を持って接し、自由に発想し議論を交わしながら切磋琢磨していくことで、個人と組織の成長が実現すると考えています。
自由闊達な組織とは
当社グループが目指す「自由闊達な組織」を分かり易く言語化し、従業員に周知しています。
- 自分の思いや気づきを、上下関係や立場を気にせずに伝えることができる組織
- 新しいアイデアやチャレンジが歓迎される組織
- 誰が正しいかではなく、何が正しいかが判断基準になっている組織
【前提】組織の方針や目標、規律やルールが共有できている