人的資本経営

人材育成

Human Resource Development

人材育成の考え方

GRI 3-3/404-2

当社グループでは、成長戦略実現の鍵は人材であると考え、中長期的な視点で戦略実行に必要となる人材の採用に取り組んでいます。中長期的な育成が求められる領域や職掌には、少数精鋭の採用方針のもとに新卒採用した人材の配置を行い、大型プロジェクトの推進や事業拡大戦略のスピーディな実行などに必要なポストについては、経験・専門性を持った人材を社外から積極的に採用しています。
このように採用した従業員一人ひとりの自律的な成長が、当社グループ全体の持続的な成長につながると考えています。新たなビジネスモデルの構築や変化する事業環境に対応するため、従業員一人ひとりに能力向上の機会を提供し、成長戦略を確実に実行できる人材を育成しています。
従業員の成長の基本は、人材育成を意識した適切な配置とともに、日常業務を通じて計画的・継続的に行われる実践的OJT(On-the-Job Training)と従業員個々人の自己啓発にあると考えています。OJTでは、知識やスキルを身に付けるだけでなく、仕事を通じた個人としての成長も促しています。OFF-JTでは、人事管理区分※ごとに各種研修や講習会、オンライン動画学習、eラーニング等の育成体系を構築し、従業員の自律的な学びを促進しています。
また、上司による部下の成長への関与が重要であると考え、上司が部下の意欲を積極的に支援するよう取り組んでいます。個人の成長と会社の持続的発展の両立を目的に導入している目標管理制度においては、従業員一人ひとりがキャリアについて自律的に考え、やりがいを持って仕事に取り組めるよう、中長期的な取り組みやチャレンジングな姿勢を評価するとともに、異動申告などのキャリア形成支援を行っています。従業員の業績評価においては、従業員の職務・職責、役割に応じて評価点の配分を変えることで評価の際に重視する点を明確にしています。評価を共有する場として、年度終了後にフィードバック面談を実施していることに加え、上司と部下のコミュニケーションの質を高め、一人ひとりの能力を引き出すために、1on1ミーティングを展開しています。
当社では、部門別・職掌別での人材育成も積極的に行っています。職掌別に、育成責任者を明確にし、人材の育成と活用(配置)を全社横断的に行っています。

  • 当社では、育成・活用(配置)の目的・基本的考え方の違いから、従業員の役割に応じて、「総合職」ならびに「基幹職」の人事管理区分を設け、異なる人材育成体系を整備しています

人材育成に関する中期目標

重要課題と「2030年のありたい姿」実現に向け、人材育成に関する中期目標として「自己啓発制度活用率」を掲げています。2023年7月の総合職人事制度改正に合わせ、従業員一人ひとりが学び成長し続ける企業文化の創出を目的に、オンライン動画学習、通信講座、外国語講座、社会人向けスクール派遣など様々なプログラムについて、2030年度の活用率が60%となるよう利用促進を図っています。
また、上司と部下による定期的な対話を通じて相互理解を深め、より安心・安全で働きやすい職場づくりを進めるとともに、一人ひとりの意欲や可能性を引き出し、成長を促進しています。そのための手段として、「1on1ミーティング」を推進しており、2030年度には、目的に沿った質の高いコミュニケーションが上司・部下の間で確実に実施されるよう、取り組みを進めています。

研修体系

人事管理区分・職務等級・個人別に必要とされる能力の向上を図るための研修体系を構築しています。

総合職階層別教育

職務等級区分ごとに求められる職務・職責を担い、成果を発揮できるよう、職場をマネジメントする職務・職責や事業責任者に該当する職務等級区分に配置した際に実施する「等級区分研修」と、事前に受講することが必要な「事前受講カリキュラム」の2種類で構成しています。

等級区分研修 住友ならびに当社ゆかりの施設を訪問し、「住友の事業精神」や当社の歴史を体感することで、当社従業員としての自覚と責任を再認識する研修を行っています。
また、新任管理職従業員に対しては、労務管理やコンプライアンスといった知識研修と、組織マネジメントを実践的に学ぶ機会を設けています。
事前受講
カリキュラム
上位の職務等級区分の職務・職責を担うために求められる知識・スキル(社内知識や課題解決、マネジメントスキル等)を事前に学ぶためのeラーニングを整備しています。キャリアを自律的に考え、求められる知識・能力・スキルを事前に学び・身に付けることで職務遂行能力の向上を図り、業務を通じて実践することを期待しています。

総合職3年育成体系

新入社員の教育・育成を図る期間を、企業人としての基盤が形成される入社後3年間としています。入社3年後の姿を想定して自己研鑽を促すとともに、3年間の目標を明確に与えながら一定期間ごとに研修プログラムを実施することにより、新入社員の成長を促進しています。

新入社員導入研修 社会人の基礎を身に付けることに加え、当社社員としての自覚・責任を認識することを目的に、座学やグループワーク、事業所・当社ゆかりの施設への訪問などのカリキュラムを約1カ月にわたり行っています。あわせて、グローバル人材の育成を目的に、語学研修等を実施しています。
入社2年次研修 経営理念の再確認や入社後2年間の振り返りを通じて、自身の成長や期待される役割を確認し、今後のキャリアを描く機会を提供することで、業務へのモチベーションおよび組織へのエンゲージメントの向上に努めています。
入社3年目修了
小論文発表会
3年育成体系の仕上げとして、役割の再認識と中長期的なキャリア展望の整理を狙いとした小論文発表会を行っています。入社後3年間で取り組んだ業務や課題解決、10年目までのキャリア展望について整理することで、自律的なキャリア形成を促進しています。

次世代経営層育成

計画的な育成により、次世代経営層の人材候補を拡充していくことが重要であると考えています。そのため、対象層ごとに複数の選抜型プログラム(役員塾、次世代経営幹部育成研修、ミドルマネジメントプログラムなど)を実施し、育成を行っています。また、複数の社外プログラムへの派遣も積極的に行っており、社外の次世代経営人材との交流を通じ、社内だけでは得られない視点や知見の獲得を目指しています。

役員塾 役員塾は、執行役員と塾生がお互いに刺激を受け、自ら育ち思索する場として2014年に発足しました。執行役員が塾長・副塾長を務め、若手から中堅社員の塾生により構成され、自主的に運営されています。資源、金属、材料・研究開発、設備技術、人事、経理、営業、コーポレートなどの職掌あるいは職掌を横断した塾が、当社グループにとって重要な課題となるテーマを決め、共に学び、職場で実践することを目指して活動しています。
次世代経営幹部
育成研修
次世代経営幹部育成研修は、近い将来、当社グループを牽引するリーダー人材を選抜し、経営の定石を学ぶための研修として2011年度からスタートし、直近は隔年で実施しています。受講生を変化・成長の出発点に立たせ、覚悟と意欲を醸成するとともに、企業経営を行っていくために必要な知識の習得と思考力の訓練を狙いとし、約8カ月間にわたる実践的プログラムを実施しています。
ミドルマネジメント
プログラム(MMP)
MMPは、今後組織を牽引していくことが期待される人材を選抜し、高い視座を身に付けるためのプログラムとして2008年度から実施しています。当社経営陣が講師となり、重要課題の2030年のありたい姿を達成するために必要な施策等について約6カ月間にわたる討議を行うことを通し、次世代を担うミドル層の底上げを図っています。

自己啓発支援・推奨

従業員の自律的な学びを積極的に支援するため、オンライン動画学習、通信講座、外国語講座、社会人向けスクール派遣など様々なプログラムを提供しています。総合職全員を対象としたオンライン動画学習プログラムでは、知識・スキル(課題解決力やマネジメントスキル、経営基礎知識)に加え、当社グループの事業戦略、安全衛生、DE&I、労務管理などに関する講座を提供しています。また、2023年度より、全従業員を対象とし業務上必要もしくは業務と関連性の深い資格保持者の確保と高度な専門能力を持つ従業員の育成を目的とした「資格取得祝金」や選任・届出による対外的な責任を負う従業員への動機付けを図るための「選任届出手当」などを支給しています。また、当社では特許法に準拠した「特許等管理規程」を定め、従業員の職務上の発明について、出願時および実績褒賞金を支給しています。事業に貢献する発明を行った場合、実績に基づき支給する褒賞金は上限を定めておらず、従業員が価値ある発明を創出する意欲を高めています。

キャリアプラン研修

「すべての従業員が活き活きと働く企業」であるためには、従業員が主体的にキャリアを描き、意欲的に働き続けることが大切だと考えています。そのため、入社2年次を起点に、35歳、43歳、50歳、58歳の各節目でキャリアプラン研修を実施し、今後のキャリア目標や行動計画を明確にする機会を設けています。また、2023年には総合職人事制度改正と合わせてキャリアチャレンジ制度(社内公募制度)も整備しました。制度を利用した自律的なチャレンジが継続的に発生しています。

JCO資料館研修

当社グループには、JCO臨界事故を、忘れてはならない教訓として受け継いでいく義務と責任があるものと考えています。このため、2010年10月に、事故にまつわる事実に直接触れることのできる体験型の施設としてJCO資料館を設立し、事故が起きた直接原因や当時のリスク管理等について学んでいます。二度とあのような事故を起こさないため、社内研修にJCO資料館研修を組み込み、当社グループは全員、一度は必ず受講するよう努めています。2026年5月1日時点での受講率は、当社従業員94.1%、関係会社従業員92.0%となっています。