多様な人材・人材の育成と活躍

労使関係(結社の自由と団体交渉)

基本的な考え方

当社は、「住友金属鉱山グループ人権方針」および「SMMグループ行動基準」において、国際人権章典や労働における基本的原則および権利に関する国際労働機関(ILO)宣言に示されている従業員の基本的な権利を尊重することを定めています。

労使間の対話(国内)

当社および国内グループ各社では、長年にわたり良好な労使関係を築き、円滑な議論を行っています。当社と住鉱連の間で締結している労働協約において、労働組合が労働基本権(結社の自由、労働者の団体交渉権など)を保有することを保障しています。当社各店所および当社グループ国内関係会社の労働組合が組織されている拠点では、一部を除きいずれも住鉱連の傘下組織として活動しています。国内においては、ユニオンショップ協定に基づき、管理職を除く一般社員全員が加入対象で、加入率は60.2%(2023年3月31日時点)であり、国内外当社グループ全体の労働組合加入率は58.8%(2023年3月31日時点)です。
会社と労働組合が相互の立場を尊重し、信頼に基づいて良好な労使関係を築くため、拠点ごとに労働組合や従業員代表組織との間で、労使協議会や労使懇談会などを毎月1回以上開催し、定期的に経営状況を説明し、従業員からの意見や要望を吸い上げる場を設置しています。安全衛生や作業環境改善の要望については、状況確認のうえ、必要な改善措置を行っています。また、当社経営陣と住鉱連傘下労働組合幹部の会合として、中央労使懇談会を毎年1回以上開催しています。
当社と住鉱連との間では、例年2月~3月にかけて、次年度の賃金や一時金、その他の労働条件について交渉しています。2022年3月には、労使間で「労使共通の年間目標達成に向けて全従業員が一体となって取り組み、既に掲げた目標、その実現のための施策を労組も強力に後押しすることにより、その実現を喜び合う新たな文化を2021年中期経営計画において醸成していくこと」を確認しました。期間を2022年度から3年間とし、取り組み範囲を国内当社グループ全拠点(直轄事業所、国内子会社、住鉱連傘下労組のある国内関係会社)+国内協力会社として、「繰り返し災害の削減」に取り組んでいます。その結果、2022年度は、目標の一部を達成することができました。
その他にも、人事制度・賃金・労働時間(時短)・福利厚生・労災職業病などテーマごとに個別労使専門委員会を設置しています。労使専門委員会は、交渉や協議で労使の合意・意見の一致が得られたテーマについて、労使で調査・検討・解決することを目的としており、検討結果は労使代表者へ報告・答申しています。

主な住鉱連との協議内容(2021~2022年度の取り組み)

  • 総合職人事制度改正、賃金水準見直し、家族手当制度見直し、物価上昇手当支給
  • 単身赴任制度(要件緩和・手当増額)、住宅関連制度(要件緩和・手当増額・新寮維持料決定)
  • 転勤負担軽減策(車両費用補助)ほか

労使間の対話(海外)

海外連結子会社のうち労働組合を有している会社は3社で、海外連結子会社における労働組合加入率は54.3%(2023年3月31日時点)です。海外における労働組合の設置状況はアンケートを通じて把握しており、現地に赴任する当社からの出向社員を通じて、海外における労使間の実情を見聞し、意見交換をしています。労使双方にとって重要な案件については労使で協議し、各国・地域の法令などに基づいて様々な施策の見直しや新規制度の策定に労使互いの意見を反映しています。このような取り組みの結果、2022年度は国内および海外の全グループにおける児童労働および強制労働に該当する事例、結社の自由を著しく侵害するような事実、ストライキなどによる工場閉鎖の報告はありません。

事業上の配転・出向・転籍に関する通知

当社は、住鉱連と締結している労働協約において、事業上の影響により従業員の配転・出向・転籍となる従業員が大量になる場合は、その基本的事項について労働組合と協議することを規定しています。また、従業員の配転・出向・転籍にあたっては、行き先について速やかに本人および労働組合へ通知することを定めています。

労働安全衛生水準向上のための労使協定

当社と住鉱連との間で締結した労働協約において、労働安全衛生の確保、安全衛生委員会の設置、教育訓練や健康診断等について定め、労使が協力し合いながら労働安全衛生水準の向上に努めています。安全衛生委員会では、安全で健康に仕事ができる環境づくりのための労働安全衛生活動の年間計画策定や進捗確認、労働災害の未然防止対策や再発防止対策の検討、健康診断の受診状況の共有などを行っています。