先住民の権利

事業場における対話を通じた取り組み

当社グループは、事業活動により直接影響を受ける先住民に対し、地元行政やNGO等のステークホルダーと協力し対話を通じた取り組みを実施しています。
フィリピンでは、行政や地域住民等のステークホルダーと協議を重ね環境適合証明書を取得し、2005年にコーラルベイニッケル(CBNC)、2013年にタガニートHPAL(THPAL)の操業を開始しました。操業開始後も、現地法令に則り地域開発(Social Development)を執行する組織を設置し、社会開発マネジメントプログラム(Social Development and Management Program: SDMP)に取り組んでいます。具体的には、CBNCはリオツバ周辺の11カ所のインパクトバランガイを含む22のバランガイと、THPALは近隣の4カ所のインパクトバランガイを含む14のバランガイと定期的に情報交換を実施しています。この情報交換に基づき、健康・教育・福祉・生計などのカテゴリごとに予算を編成し、行政の承認を得たうえで無料の健康診断や治療、農業支援などを実施しています。また、SDMPに含まれない活動についても別途予算を編成し、先住民の文化や独自言語を教育する先住民のための学校や集会所の建設なども実施しています。
カナダでは、2020年に建設移行決定したコテ金開発プロジェクトにおいてパートナーであるアイアムゴールド社とともに、プロジェクトによって影響を受ける先住民団体にプロジェクトを理解いただくことを目的に各許認可の事前説明はもとより、継続的な対話を実施しました。先住民団体主催の文化研修等への参加などにより相互理解・相互信頼を醸成した結果、先住民団体との互恵に関する同意(Impact Benefit Agreement)の締結に至りました。現在は先住民団体およびパートナーと協力し、開発予定地に存在する湖を補償するための新しい湖を建設のうえ、既存の湖に生息していた水生生物を新設の湖や周辺水系に放流することによる生物多様性の保全等、地域社会と協調した環境活動を展開しています。
なお、当社が50%を超える権益を持つすべての鉱山・製錬所周辺において、土地使用ならびに先住民の慣習上の権利に関する重大な紛争として報告された事案はありません。また、これに関してJaCER(苦情処理プラットフォーム)等の窓口に寄せられた苦情はありません。

  • フィリピンの都市や町を構成する最小の地方自治単位であり、村または地区、区を示します