責任ある鉱物調達に関する取り組み
国際的なイニシアチブ、Responsible Minerals Initiative(RMI)※が推進するサプライチェーン透明性確保の仕組み(上図参照)に則り、取り組みを推進しています。この仕組みは川上から川下までのサプライチェーンにおいて、比較的数の少ない製錬所を起点とし取り組むことでより効率的に透明性確保を目指すものです。
製錬所から川下(完成品メーカー)においては、製品に使用される鉱物を製造した製錬所を特定することを目的とした共通の調査票が展開されます。サプライチェーンを遡る形で顧客企業から展開されるこの調査票に対し、回答までの承認プロセスを設定し当社グループで統一した回答となるよう取り組んでいます。2022年度は330件の調査票に回答しました。
また、製錬所から川上(鉱山)においては、調達先のリスク評価なども含めた当社製錬所における責任ある鉱物調達の仕組みについて国際的な基準に基づき第三者監査を定期的に受審しています。監査基準は鉱物ごとに異なるためそれぞれの基準に対応するよう、デュー・ディリジェンスの実施に加え、社内体制および規程の整備、社内教育の実施などに取り組んでいます。当社製錬所における第三者監査受審状況は下表の通りです。
対象鉱物 | |||||
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金 | 銀 | コバルト | ニッケル | 銅 | |
監査基準(発行団体) | RGG(LBMA) | RSG(LBMA) | RMAP Cobalt(RMI) | JDDS(The Copper Mark) | JDDS(The Copper Mark) |
認証機関 | LBMA | LBMA | RMI | RMI | RMI |
監査受審開始時期 | 2012年度 | 2018年度 | 2020年度 | 2022年度 | 2023年度 |
なお、当社は製錬業のサプライヤーである鉱山会社を新しく選定する際には、当該鉱山会社が水資源やテーリングダムなどへの環境マネジメントをどのように実行しているかの評価を実施しています。2022年度は対象となるサプライヤーはありませんでした。また、事業地域内またはその隣接地域で小規模採掘鉱山(ASM)に該当する事例はありません。
- 世界の電子機器業界における共通の行動規範を推進する目的で2004年に設立された、RBAの責任ある鉱物調達に関する国際的イニシアチブ