菱刈鉱山

環境保全と地域との共存共栄
「クリーンで明るい地下工場」
鹿児島県北部に位置している菱刈鉱山は、鉱石1トン中に含まれる平均金量が約20グラムという高品位(世界の主要金鉱山の平均品位は3〜5グラム)を誇っており、1985年の出鉱開始以来、安定して金の産出をしています。
過去には日本国内にも多数の金属鉱山が存在していましたが、今日では菱刈鉱山が商業規模で操業を継続している国内の最大の金鉱山となっています。

菱刈鉱山の鉱床
菱刈鉱山の鉱床は「浅熱水性鉱脈型金銀鉱床」と呼ばれています。太平洋プレートが日本列島の下に潜り込む「プレートテクトニクス」という地球運動の過程ではマグマが発生するため、このマグマが地殻の割目を通って上昇し、地表では火山となって噴出します。火山活動の一方で、地表の割目に地下水・マグマ水(熱水)が供給されると、熱水に溶け出した物質が冷え固まり鉱脈となります。このようにして形成されたのが菱刈鉱山の金鉱床で、今からおよそ100万年前にできたと考えられています。地質学的にみると非常に新しい鉱床で、65℃の温泉水を伴っているのが特長です。
菱刈鉱山の鉱石から金ができるまで
坑内(Underground)
STEP1

穿孔
菱刈鉱山は垂直に走っている多数の鉱脈により、鉱床が形成されています。これらの鉱床に対し、水平方向から坑道を通して採掘を行います。穿孔マシン(ジャンボ)で鉱脈に深さ1.8メートル~3.5メートルの孔を40~50個空けます。
STEP2

発破
それぞれの孔に1~2キログラムの含水爆薬を装填し、発破します。
STEP3

積込・運搬
発破により砕かれた鉱石は、専用の積込機械により回収されます。
回収された鉱石は、ダンプトラックに積み替えられ、地上の鉱石処理施設に運ばれます。
坑外(Surface)
STEP4

選別
採掘された鉱石は手のひら大の大きさに砕かれ、自動選別機および手作業により、選別されます。
STEP5

輸送
選別された金鉱石は専用船に積み込まれ、住友金属鉱山の主力製錬所である東予工場に向け海上輸送されます。
STEP6

鋳造
東予工場に運び込まれた金鉱石は、貴金属の製錬工程を経て、純度99.99%の純金となって取り出されます。
純金
金純度
99.99%
ビジュアルで見る菱刈鉱山
解説付きのビジュアルで、「菱刈鉱山」についてご紹介します。
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重機が行き来する坑道