地球環境保全

尾鉱ダムの管理

Tailings Dam Management

尾鉱ダムの管理とリハビリテーション

GRI 14.6.3/14.8.6/306-1/306-2

Global Tailings Review(GTR)は、2020年8月に尾鉱ダム管理国際産業規格(Global Industry Standard on Tailings Management:GISTM)を策定しました。国際金属・鉱業評議会(International Council on Mining and Metals:ICMM)はGISTMの遵守をコミットしており、当社はICMMのメンバーとして、規格への対応を進め、当社グループが管理する国内休廃止鉱山、フィリピンのコーラルベイニッケル(CBNC)およびタガニートHPAL(THPAL)で管理する尾鉱ダム(計17施設)が適合していることを確認し、関連情報を開示しています。
2024年8月1日付でGISTMに基づく「住友金属鉱山グループ尾鉱ダム管理方針」を策定し、ガバナンスと推進体制、原則、経営資源の配分、協働、緊急事態への準備と対応およびレビューと開示に関する方針を明示しました。この中で、尾鉱ダム管理の活動を実施するために必要となるリソースの確保、コミュニティを含めたステークホルダーとの協力、尾鉱ダムの計画から廃止後までのライフサイクル全般にわたるリスクや環境への影響の軽減に対処すること、および当社が出資する鉱山等の尾鉱ダムの安全管理について支援することを約束しています。

CBNCとTHPALは電気ニッケルや硫酸ニッケルの中間原料を生産しており、生産プロセスで残渣(鉄分を多く含んだスラリー状のもの)が発生します。尾鉱ダムでは、この残渣を無害化処理した後にいったん貯留させ、水分と固形分に分離し、その固形分を堆積しています。
CBNCには3つ、THPALには1つの尾鉱ダムがあり、CBNCの1つ目の尾鉱ダムは容量が上限に達し、役目を終えたため、自律した持続可能な生態系の確立を目的として、リハビリテーションを行っています。これらの作業には多くの地域住民・先住民族が携わっており、地域の雇用の創出においても重要な役割を果たしています。
併せて、環境管理活動を積極的に推進するため、フィリピン政府が定めた多者間モニタリングチーム(Multi-partite Monitoring Team:MMT)を設置しています。MMTは、中央・地方政府やNGOなどで構成され、定期的な環境モニタリングを実施し、尾鉱ダムがライフサイクル全体を通じて健全かつ適切に管理されていることを確認しています。また、開発地域内外での植林を行い、緑化面積の拡大や尾鉱ダムの緑化に取り組んでいます。

休廃止鉱山の管理

GRI 14.6

当社は下表の国内9カ所の休廃止鉱山およびそれらに属する42カ所の集積場を管理しています。
休廃止鉱山の坑道や、尾鉱等を積み上げた集積場などから発生する坑廃水は、鉱物に接触しているため排水基準値を超える重金属の含有や酸性を示す場合があることから、これらを水処理施設で適切に処理後、放流しています。
日本では、2011年東日本大震災を契機に法律上の管理基準が強化されました。当社では、強化された管理基準に基づき集積場を評価し、基準を下回った11の集積場に対して2018年までに累計約45億円を投じて補強工事を行いました。それ以降は、すべての集積場で法律上の管理基準を満たしています。
また、近年の自然災害の甚大化に対応するため、各拠点では最大3日間の外部からの給電停止、交通遮断に備えた非常用発電設備の設置、遠隔監視システム等を2023年度までに完了しました。
今後も、休廃止鉱山を確実に管理するとともに、設備やインフラの強化・改善を行っていきます。

休廃止鉱山管理の体制

鉱山名 所在地 休止・廃止年月
鴻之舞鉱山 北海道 1973年10月
北見鉱山 北海道 1963年10月
余市鉱山 北海道 1963年10月
国富鉱山 北海道 1945年3月
大宮鉱山 福島県 1950年6月
八総鉱山 福島県 1970年10月
佐々連鉱山 愛媛県 1979年7月
別子鉱山 愛媛県 1973年3月
大口鉱山 鹿児島県 1977年9月