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プロジェクト紹介
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カナダ オンタリオ州
コテ金開発プロジェクト

大志

世界の非鉄リーダー。
その旗印のもと、
住友金属鉱山は世界へ挑み続ける。

Project Member
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    事務系

    山田 俊輔

    法務部
    1997年入社 法学部卒

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    事務系

    隆杉 和夫

    資源事業本部事業室
    2005年入社 総合政策学部政策学科卒

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    技術系

    横田 光博

    資源事業本部コテプロジェクト推進部
    2007年入社 工学研究科環境フィールド工学専攻修了

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    技術系

    佐藤 大輔

    資源事業本部SMMゴールドコテ(モントリオール)
    2009年入社 工学系研究科システム創成学専攻修了

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    技術系

    山根 正嗣

    資源事業本部QBプロジェクト推進部
    2015年入社 工学系研究科システム創成学専攻修了

長期ビジョンの
実現に向けて
偉大なる一歩を。

カナダの産金会社アイアムゴールド社(IMG社)が「コテ金開発プロジェクト」のパートナーを探している。住友金属鉱山がその情報を掴んだのは、2017年のことだった。カナダのオンタリオ州ティミンズ市の南南西120km。世界有数の産金地帯に位置するコテは、減少の一途をたどる世界の資源開発においても、きわめて有望な案件だった。金のグループ年間生産量増加を目指す住友金属鉱山にとっても、願ってもないチャンスだったことは言うまでもない。このプロジェクトに参画し、成功させることができれば、「世界の非鉄リーダー」への道は、より明確に拓かれることになるだろう。住友金属鉱山は、日本発・資源メジャーへの偉大なる一歩を踏み出すことになる。

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総額195百万米ドル。
大規模投資に
妥協は許されない。

アイアムゴールド社が保有する「コテ金開発」の権益のうち30%を取得する。その権益取得に係る対価は、実に195百万米ドルにも及ぶ。普通に生活していたら、想像もできないほどの大規模投資。参入を決定するにあたっては、十分な評価・検討が必要となる。そこで、技術的な見地から評価を担当したのが、当時、新居浜研究所に所属していた山根だった。

「計画通りに金を回収できるのか。IMG社が示す根拠は確かなものか。技術の妥当性を確かめることが私のミッションでした。ラボスケールの試験を重ねることはもちろん、実際の設備を想定した実験装置を用意するなどして、精緻な検証結果を得られるよう努めました。プロジェクトにおけるデリスクの一助となれたことに大きな喜びを感じています。」

技術的な評価・検討と並行して、契約内容の詳細に関する議論も進められていた。IMG社との折衝を任されたのは、法務担当の山田。互いの弁護士を交え、カナダと日本を往来しながら、契約内容を詰めていった。

「権益のシェアでは相手がマジョリティ。当社はマイノリティ。すべてを多数決で決めるとなれば、NOとは言えなくなるわけです。こだわったのは『どこに例外を置くか』ということ。プロジェクトの成功を相手任せにするのではなく、共に実現していける関係を築きたかったんです。」

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プロジェクトの価値を
高めるために
各々が最善を尽くす。

2017年6月。綿密な評価・検証・交渉の末、権益取得の契約は結ばれた。そして、プロジェクトは次の段階へと移行する。プロジェクトの実現性・収益性を確かなものとするべく、採掘方法や計画、設備などについて、適切な計画を協議・作成するフィージビリティ・スタディ。そして、その後、それらを詳細設計していくフェーズを迎えることになる。本社・プロジェクト担当を務めた横田は計画段階のポイントを次のように話す。

「こだわったのは、プロジェクトの価値を向上させること。そのためには、できるだけ堅実で、確実な計画を実現させる必要がありました。すべてを最先端の技術や設備にしてしまうと、想定外の遅れや費用増加につながることがある。技術上の懸念点、思想の違いなどを徹底的にすり合わせることで、納得のできる採掘計画をつくることができました。」

堅実に、確実に、収益を上げられる計画を実現する。その目的を第一義としながらも、採掘現場をより効率的にするための新技術も導入された。カナダの金鉱山では初となる堅い鉱石を効率よく粉砕できるHPGR(High Pressure Grindind Roll)と乾式スクリーンの導入。そして、現場内の輸送トラックの自動化である。カナダに駐在し、IMG社と協働で設計を担当した佐藤は、その手腕を如何なく発揮し、彼らの信頼を得た。

「心がけたのは、実際の操業を考え、余裕を持たせた設計をすること。採掘の流れ、モノの動き、万が一の事態を考慮すれば、『ここに鉱石を貯めておく設備あれば、稼働を止めずにすむ』といった工夫が見えてくるんです。」

プロジェクトは順調に進んでいた。だが、トラブルは思わぬところからやってくるもの。世界的な新型コロナウイルスの蔓延。それが、建設への移行をストップさせた。プロジェクトの経理担当として、建設移行に向けた社内調整や現地法人のサポートを務めていた隆杉は、当時をこう振り返る。

「コロナウイルスの蔓延は、近年、世界が経験したことのない混乱を生み出し、プロジェクトの意思決定にも多大な影響を与えました。建設移行のタイミングを逃さないよう、常にその動向を注視し、的確な対応をしていく必要があります。刻々と変化する外部環境の中で、正確な情報を入手し、長期的な見通しを立てていく……。リスクや懸念点をチームで共有しスムーズに意思決定できるよう関係者へ丁寧に説明することを心がけました。先行きが見通せない中、緊張感を持って、プロジェクトに対する社内のモチベーションの変化を見守っていました。建設移行の決定がなされた時には、ようやくスタートラインだと胸をなでおろしました。」

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生産開始は2023年。
輝く未来に
想いを馳せて。

2020年7月。取締役会において、「コテ金開発プロジェクト」の建設開始が了承された。起工式にはカナダの首相が出席するなど、地域の期待も大きい。まだ道半ばであるものの、メンバーたちは一様にその輝かしい未来を視野に入れている。

「今回のプロジェクトにおいて、カナダ現地のラボを視察する機会があったのですが、『住友金属鉱山で培った技術は世界でも通用する』ことを実感できました。ここで得た自信を次のプロジェクトに活かしたいですね。」(山根)
「現地法人での管理業務や、自治体の許認可に関わるなど、貴重な経験をさせてもらいました。印象深いのは先住民との懇親を深める場で、会社の歴史や事業精神を説明するスピーチをしたこと。自分の会社が『素晴らしい』と認められたことは、私にとって何よりの誇りです。」(山田)

「対話によってお互いの意見をすり合わせ、よりよい計画をつくり、ここまで来ることができました。まずは、このプロジェクトを完遂すること。そして、ここでの経験を糧に、マジョリティの立場で新たな資源開発プロジェクトに挑戦できたら嬉しいですね。」(横田)
「自らの提案や仕事が認められ、IMG社の技術者たちと確かな信頼を築けたことに喜びを感じています。国境を越えて、企業の垣根を越えて、紡がれた仲間たちとの絆。技術者として、ひとりの人間として、その期待に応えていきたいと思っています。」(佐藤)

「資源開発は、世代を越えてなお続くサイクルの長い事業です。ダイナミックなプロジェクトの一端を担えたことに、至上の喜びと誇りを感じています。現在はプロジェクトを離れていますが、チャンスがあれば、ここで得た知見を次のプロジェクトに活かしていきたいですね。」(隆杉)

プロジェクトが順調に進めば、2023年には生産が開始される予定だ。ここから生み出されるであろう、まだ見ぬ黄金の輝きは、彼ら一人ひとりの努力や想いの結晶なのかもしれない。

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