鈴江 晃也
金属事業本部東予工場製錬課
2014年入社 工学系研究科マテリアル工学専攻修了
匠
「漢」たちは挑み続ける。
誇りを胸に、
幾多の困難を越えて。
資源メジャーを目指す。
その志に、
自らの夢を重ねた。
高校時代から資源に興味を持ち、大学では鉄鋼についての研究室に所属した。そんな鈴江が非鉄の世界を選んだ理由はきわめてシンプルなものだった。
「このまま、ひとつの元素と向き合い続けるよりも、さまざまな金属に向き合い、新たな発見をしたい。きっかけはそこでした。数ある企業の中から住友金属鉱山を選んだのは、『資源メジャーを目指す』という志に惹かれたから。無謀なようにも見えますが、目標は高い方が面白い。歴史的な背景があるにしろ、日本と同じく、資源に乏しいイギリスにも資源メジャーは存在しますからね。」
配属されたのは東予工場。銅の製錬現場だった。銅鉱石を熔かし、不純物を取り除く。銅の品位を高める。銅の品位を高める過程で金・銀を抽出する。さまざまな工程において、その生産性と安全性を向上させることが、技術者のミッションだ。
「20メートルの長さがある巨大な自熔炉は1,200℃を超える温度で運転します。作業者の安全を確保することは何よりも重要ですし、操業方法の工夫ひとつで金属のロスは大きく変わります。だからこそ、製錬現場では常によりよい方法を模索し、今ある姿を革新していく必要があります。責任はきわめて重く、金額のインパクトは億単位。本当にやりがいのある仕事です。」
思考を止めるな。
この会社は、
オレたちが支えている。
現在、鈴江が任されているのは、銅製錬の自熔炉職場。銅を60%ほどの品位に高めていく、最初の工程だ。実際のオペレーションを担う人たちと協働しながら、より安全に、良いものを、効率よくつくるための操業管理・改善を行っている。
「現場を担う人たちは、誰もが自らの仕事に誇りを持ち、モノづくりに情熱を注いでいます。私自身、右も左もわからない新人のころから、その背中にあこがれ、多くを学んできました。まさに人生の師のような存在。見た目はコワモテだけど、優しくて、熱い。本当にカッコいいですよ。」
現場は、困難の連続だ。過酷な環境下においては、設備トラブルが発生することもしばしば。その度に、鈴江らは思考をフル回転させ、難局に立ち向かうことになる。
「私たちが預かるのは最初の工程。ここでモノづくりが止まってしまえば、後の工程はもちろん、製品を待っているお客様のモノづくりを止めることにもなりかねません。データから原因を予想し、全員一丸となってその解決にあたる。そうして、幾度も困難を乗り切ってきました。ここで働く誰もが、『オレたちが会社を支えているんだ!』という矜持を持って仕事に臨んでいます。」
こんな方法があったのか。
業界を驚かす、
圧倒的な技術力を。
モノづくりの質を向上させ、世の中をよりよくしよう。銅製錬に携わる技術者は、一様に「誇り」と「使命」を抱き、さらなる高みを目指している。だからこそ、この業界では、企業の枠を超えて、交流する機会も多いのだという。
「お互いの工場を見学したり、意見交換をしたり……。ビジネスではライバル同士ですが、同じ志を抱く『仲間』だという意識も強いです。現状、技術的な面では、ほとんどの会社が横並びの状況ですが、互いに切磋琢磨し、よい刺激を与え合う関係でいたいものですね。」
度重なるトラブルに悩まされても。日々の操業が多忙なものだとしても。鈴江が、入社時に抱いた夢を忘れることはない。
「私たちが支える現場の仕事が、資源メジャーという夢につながる。そう信じて、日々の仕事に向き合っています。今後の目標は、競合他社が感心してしまうような操業方法や安全対策を考え、実行すること。資源メジャーを目指すのであれば、『こんな方法があったのか』と驚いてしまうような圧倒的な技術力が必要不可欠だと思うので。」
ある1日のスケジュール
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7:30出社。操業データ確認。
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7:50夜勤副長と引き継ぎ。
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8:10現場巡視。
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8:20操業データ精査、引き継ぎ準備。
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8:40上司への引き継ぎ。
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9:00各種指示、工事手配等。
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9:30日報、チェックリスト確認、メールチェック。
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10:30異常時想定訓練シナリオ作成。
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11:00施工前打ち合わせ。
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12:00昼休み。
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13:00炉内点検(操業を停止し、設備の点検、各種工事)。
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15:00操業立ち上げ、装入量や操業指標を指示。
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16:00メールチェック、エンジからの問い合わせ対応。
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16:30作業手順書改訂。
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17:30退社。
休日の過ごし方
子どもと遊ぶことが中心です。2歳になったので、最近は少しずつ活動拠点を広げています。今のブームは近場の自然公園でキャンプをすること。自然に触れて、豊かな感性を育んでほしいという願いもありますが、私自身が楽しみたいというのが本音。自然の中でおいしいものを食べて、ゆっくり我が子と過ごす。最高の時間ですね。