原 彬
資源事業本部菱刈鉱山探査課
2020年入社 国際資源学研究科資源地球科学専攻
夢
路傍の石から
走り出した好奇心。
彼の「夢」は
やがて、世界を駆ける。
その知見と技で
目には見えない世界を
浮き彫りにする。
石や鉱物が持つ、さまざまな色、そしてかたち。探査技術者・原のルーツは、少年時代の「好奇心」にさかのぼる。石や鉱物への興味から、大学では鉱床学を専攻。フィールドワークで菱刈鉱山や南アフリカの鉱山にも触れる機会があった。
「学生時代から菱刈鉱山をフィールドに研究してきたこともあり、『鉱山で働くなら、住友金属鉱山だ』と明確に自分の将来をイメージしていました。ここで鉱山操業のイロハを学び、海外での探鉱・操業にチャレンジしたい。そんな想いを抱いて、入社を決めたんです。」
菱刈鉱山における探査技術者の仕事は、鉱脈の性質・特徴を見極め、採掘に必要な情報を提供すること。鉱脈の連続性やその品位、金の量をさまざまな手法で予測し、より効率のよい採掘につなげていくことがミッションだ。
「坑内での鉱脈をスケッチしたり、鉱石をサンプリングして分析したり、ボーリング調査を行ったり……。さまざまな知見を駆使して、目には見えない世界を見極める。それが、私たち『地質屋』の仕事です。自らの提案やアイデアが、金鉱石の品位と採掘効率を高め、鉱山の寿命を最大限に延ばすことにつながる。とてもやりがいのある仕事だと自負しています。」
現場から学び
チャレンジの姿勢を
貫き続ける。
探査の仕事にルーティンは存在しない。地質を見極め、採鉱の方向性を示した後も、想定外の事態は頻発する。想定されていた品位が続かない。予測通りの量を採掘できない。その度に、状況を見極め、的確な対処法を示していくことが求められるのだ。
「私たちのビジネスは自然を相手にするもの。想定通りに事が進むことはほとんどなく、毎日のように、困難な事態に直面します。採鉱担当や現場の作業者の皆さんとコミュニケーションを密にして、自らの知識や経験をフル活用する。その結果、問題が解決し、操業に貢献できた時のよろこびは格別です。」
原の活躍は、メイン業務である探査だけに留まらない。「より効率的に、品位の高い鉱脈を探す手法を開発する」という産学連携研究を起ち上げるなど、積極的なチャレンジを続けている。
「実際に操業現場を見ていると、大学時代には気づけなかった学びがあります。そこで新たな共同研究の立ち上げを課内で提案しました。上司のアドバイスをいただきながら、学生にとっても、私たちのビジネスにとっても価値あるプロジェクトを実現できたと思います。一人ひとりのチャレンジを後押ししてくれることも、住友金属鉱山の大きな魅力なんです。」
世界の鉱山を
見極める、
一流の「地質屋」に。
菱刈鉱山は、商業規模で操業を続ける国内最大の金鉱山でありながら、世界を舞台に活躍する鉱山技術者の登竜門としての役割も果たしている。ここで鉱山操業の基礎を学び、世界へと羽ばたいていく。そして、そこで活躍した人材たちが、自らの経験を還元していく。そんな好循環が生まれているのだという。
「古きを学び、新しきを知る。菱刈鉱山は、そんな場所だと思っています。先輩方や現場で活躍するベテランの技術員から多くを学びながらも、一人ひとりが新たな取り組みを実践していける。菱刈鉱山の存在は、会社にとっても大きな財産だと思いますよ。」
充実した日々の中で、彼は「その時」を待ちわびている。世界の鉱山を舞台に活躍する技術者となる。その「夢」が、確かなモチベーションとなっているようだ。
「若手のうちから、操業現場やフィールドで鉱石を観察できる。それだけでも、幸せな仕事ができているのに、『自らの将来』に期待し続けられるわけですからね。これから、世界のどの鉱山やフィールドで仕事ができるのか。その現場はどのようなものか。そこで、どのような光景を目の当たりにできるのか。想像するだけでワクワクしてしまいます。だからこそ、今以上に多くを学び、成長していくことが必要です。世界のフィールドを紙とペンを片手に歩き回り、地質を見極め、確かな成果を出す。そんな『地質屋』になりたいものですね。」
ある1日のスケジュール
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7:20出社。メールをチェック。1日のスケジュールの確認。
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7:45課内で朝のミーティング。
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8:00前日の試錐の実績や現場の予定を確認。
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8:30午前の坑外施設巡視、現場でのKY、保安指示。
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9:00稼働切羽の状況や今後の見通しの整理、確認。
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11:00担当者、課内への情報共有連絡。
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11:45昼休み。
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12:45共同研究・学術研究の進捗資料作成。
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14:30午後の坑外施設巡視。
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15:00探鉱に関する課内打ち合わせ。
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16:00当日の品位分析結果の確認。
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16:30翌日の作業・資料準備。
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17:00退勤。
休日の過ごし方
お気に入りの「薩摩切子」で、日本酒を楽しむ。それが、最高の喜びですね。ここ鹿児島県の特産品であるグラスに、大学時代に暮らしていた秋田の銘酒を注ぐ。なんとも贅沢な気分を味わえるんです。