加藤 三香子
技術本部電池研究所
2013年入社 環境科学研究科環境科学専攻修了
創造
未知の世界を解き明かす。
今、ここに存在しない価値を
世界に届けるために。
なぜ、そうなるのか。
知的好奇心で
世の中に貢献したい。
なぜ、そうなるのか。自然界の理や、身の回りの現象を解き明かし、理解する。幼いころから、理科の時間が何よりの楽しみだった。大学で新たな無機材料の製造法を研究したのも、旺盛な知的好奇心ゆえ。いつしか、加藤は自らの好奇心を社会のために活かしたいと考えるようになった。
「環境・エネルギー問題に貢献するモノづくりに興味があったこと、所属していた研究室と共同研究を行っていた縁などから、住友金属鉱山を選びました。決め手となったのは、工場見学で会う人すべてが魅力的だったこと。誠実で、優しさにあふれている。そんな人たちと一緒に働きたかったんです。」
各研究部門・生産現場での実習を経て、電池研究所に配属となった。担当するのは、リチウムイオン電池の正極に使われる材料の研究開発だ。
「私たちが手がける材料は、電気自動車などに使われる注目の次世代素材です。電池の長寿命化・大容量化・出力の向上など、お客様の高度な要求に応えるべく、チームで物質の特性向上や、生産技術の検討を行っています。自らの知的好奇心を社会のために役立てる。入社前に思い描いていた通りの仕事ができていることは、幸せなことだと思っています。」
技術者の経験と感性に
新しいサイエンスの
視点を取り入れる。
現在の担当テーマは、電池の出力向上。そのために、リチウムイオン伝導性が高い材料を設計している。予算と時間、そしてマンパワー。限られた条件の中で、今ないものを創り出していくことは決して易しいことではない。
「原料の配合を変えてみたり、製造プロセスを変えてみたり。求められる特性を出すには、無限の選択肢が存在します。どうすれば、その特性が出せるのか。未知の世界を解き明かすためには、先を予測する力と計画性、わずかな『変化点』も見逃さない観察・解析力が求められます。」
日本のモノづくりは「経験と知識の積み重ね」だ。新たな特性を持った物質や材料を生み出す際には、これまでの知見をもとにアタリをつけ、仮説と検証を繰り返し、解決策を絞り込んでいく手法が一般的だ。
「ニーズの高い素材であるがゆえに、そこに活かされる技術のサイクルも非常に早くなっています。さらなるスピードを実現するために、電池研究所では最新のシミュレーション技術やデータ解析による『新しいサイエンス』を取り入れる動きが活発です。仕事に対する愚直で誠実な姿勢が変わることはありませんが、その研究スタイルは常に進化を続けているんです。」
尊敬できる仲間たち。
その支えに
成果で報いたい。
今、この世にない価値を創り出し、新たな可能性を切り拓く。その中心には、いつも人がいる。
「何かに思い悩んだ時には、必ず手を差し伸べてくれる。出口の見えない課題にぶつかった時に、ひとすじの光明となるヒントや発見をくれる。当社には、尊敬できる研究者・技術者がたくさんいます。そうした人たちとの出会いは、私にとって何よりの財産です。何かを生み出すことには、大きな苦しみが伴うもの。けれど、チームの存在が『必ずできる』と私を奮い立たせてくれています。」
支えられた感謝をはっきりと示したい。加藤の目標はただひとつ。現在の開発テーマに邁進し、成果を出すことだ。
「まだまだ研究開発は第一歩の段階です。お客様が望む特性を実現し、その製品を大量生産していく。そのためには、いくつもの困難を乗り越えていかなければいけません。自らが開発した製品を世の中に出すことで、支えてくださった方々に恩返しをしたい。その製品によって、社会に貢献したい。その想いを実現するために、人として、研究者として、さらなる成長を遂げていきたいと考えています。」
ある1日のスケジュール
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8:00出社。メールチェック、チーム員と1日の業務内容やスケジュール確認。
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9:30試験品の分析データの解析、考察。
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11:00今後の実験の条件検討。
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12:00昼休み。
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13:00社内報告資料、顧客向け報告資料の作成。
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14:30先行技術、文献調査。
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15:30顧客との打ち合わせ。
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16:30チーム員の1日の業務進捗確認、翌日の業務内容打ち合わせ。
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17:00退社。
休日の過ごし方
料理が好きです。新型コロナウイルスの影響で家にいる時間が増えたため、凝ったものを作ることが増えました。最近の自信作は、手作りラーメンですね。小麦粉をこねて麺を手打ちする、厳選した素材を1日かけて煮込み、スープを作る。チャーシューももちろん自家製で。研究職として培った好奇心・こだわりが詰め込まれた一杯になりました。